〔ブルームバーグ情報〕
▽米国がウクライナへの武器供給やめれば交渉検討-プーチン大統領<bloomberg日本語版>2024年2月9日 17:34 JST

  • FOXの元看板司会者カールソン氏とのインタビューで語る
  • 拘束中のWSJ記者解放に向けた合意は可能と示唆

ロシアのプーチン大統領は、米FOXニュースの元看板司会者タッカー・カールソン氏とのインタビューで、ロシアがウクライナでの軍事作戦の目的を達成していないと述べ、米国がウクライナへの武器供給をやめれば交渉を検討する考えを示した。

  プーチン氏はモスクワで6日に収録されたインタビューで、「われわれはまだ目標を達成していない」と語った。同大統領が西側メディアのインタビューに応じたのは、2022年2月にウクライナ侵攻を命じて以来初めて。インタビュー動画はカールソン氏が8日に自身のウェブサイトに掲載した。

  大統領は「われわれは米指導部に対し、もし本当に軍事行動を止めたいのであれば、武器の供給をやめる必要があり、そうすれば数週間ですべてが終わり、いくつかの条件について話し合うことができるだろう」と発言した。

  米国とその同盟国は、こうしたロシアの要求を拒否しており、侵攻開始から2年の節目を迎えようとしている現在、どちら側も真剣な話し合いに応じる用意ができている様子はない。

  ブルームバーグ・ニュースは先月、プーチン大統領がウクライナでの戦争を終結させるための協議に米国が応じる用意があるか瀬踏みしていると、ロシア政府に近い関係者を引用して報じていた

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タッカー・カールソン氏とのインタビューで語るプーチン大統領(右)Photographer: Gavril Grigorov/AFP/Getty Images

  プーチン氏はカールソン氏とのインタビューで、ロシアで拘束されている米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者について、解放に向けた合意は可能だと示唆した。

  「特殊機関の間のチャンネルを通じ、特定の条件について協議が行われている。合意に達することは可能だと考える」とプーチン氏(71)は語った。

  WSJはプーチン氏のインタビュー公開後、「エバンを帰国させる取引にロシアが意欲を示したことに勇気付けられた」とのコメントを発表。同記者に関するスパイ容疑は「作り話」だとした。

原題:Putin Takes Hard Line on Ukraine in Tucker Carlson Interview (2)(抜粋)

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〔ロイター情報〕
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ロシア、ポーランドやラトビアに侵攻するつもりない=大統領

[8日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は8日に公開されたインタビューで、ロシアは自国の利益のために戦うが、ウクライナでの戦争をポーランドやラトビアなど他国に拡大するつもりはないと述べた。

米FOXニュースの看板アンカーだったタッカー・カールソン氏のインタビューに応じた。インタビューは6日にモスクワで収録された。 もっと見る

プーチン氏がウクライナ侵攻以降、米国ジャーナリストとのインタビューを行ったのは今回が初めて。

インタビューでプーチン氏は、欧米指導者らはロシアに戦略的敗北を与えることは不可能だと理解するようになっているとし、次に何をすべきか悩んでいると指摘。「われわれは対話の準備ができている」と語った。

ロシアで勾留されている米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者については、ロシア人受刑者と引き換えに釈放することが可能かもしれないと述べた。 もっと見る

北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドにロシア軍を派遣するシナリオを想像できるかとの質問に「ポーランドがロシアを攻撃する場合だけだ。ポーランドやラトビアなどに何の関心もないからだ」と答えた。

プーチン氏はロシア語で話し、英語に吹き替えられた。インタビューのかなりの部分を2022年4月にトルコ仲介で行われた和平協議に関する不満に費やした。協議でウクライナは和平協定に合意寸前だったものの、ロシア軍がキーウ周辺から撤退した後に一方的に合意を破棄したと主張した。

また、米国には懸念すべき国内問題があると指摘。ロシアと交渉して合意すべきだと促した。米国は現在の状況を理解しており、ロシアが自国の利益のために最後まで戦うということを認識していると述べた。

ロシア大統領府はプーチン氏がインタビューに応じた理由について、カールソン氏の姿勢が多くの西側メディアによるウクライナ紛争の「一方的」な報道と異なったためと説明していた。

カールソン氏は西側メディアの報道の多くがウクライナ寄りだと指摘している。

同氏は11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いで独走するトランプ前大統領と親しい関係にあるとされる。

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