- CPI予想上回る、円がドル150円台、建設プロジェクト減速
- MSCIが複数の中国企業を除外、減産合意の実施にばらつき
1月の米消費者物価指数(CPI)は全面的に市場予想を上回る伸びを示しました。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)はこれについて、1月の数字は「残存季節性」を反映して高くなる傾向があるため、今回の統計をうのみにするべきではないと指摘。季節調整前ベースでは、過去2年の1月の数字を依然下回っていると分析しました。ただBEによると、連邦公開市場委員会(FOMC)当局者らが使用する1カ月、3カ月、6カ月の年率ベースでもコアCPIはそれぞれ昨年12月の数字から伸びが加速しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
予想以上の伸び
1月の米CPIはコア指数と総合指数がいずれも、前月比・前年同月比ともに市場予想を上回る伸びとなった。食品価格や自動車保険、医療費の上昇を反映。住居費は全体の伸びの3分の2余りに寄与した。インフレ再加速の兆候がさらに表れれば、利上げ再開の議論が再燃する可能性がある。これを受けて、7月より前に米利下げが実施されるとの見方が大きく後退。5月利下げの予想確率はCPI発表前の約64%から約36%に低下。年内の予想利下げ幅は100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を割り込んだ。
介入警戒感高まる
外国為替市場では円相場が約3カ月ぶりに1ドル=150円台に下落した。1月の米CPIが市場予想を上回り、円売り・ドル買いに弾みが付いた。円は対ドルで一時前日比1%安の1ドル=150円89銭と、昨年11月以来の水準まで下落。140円台後半だった年初から10円近く円安・ドル高が進んでいる。円相場が150円の心理的節目を突破したことで、市場では通貨当局による円買い介入再開への警戒感が高まる。
建設活動が低迷
リモートワークの台頭と借り入れコストの上昇が招いた商業不動産危機は、全米でオフィスビルの価値を急降下させ、銀行を混乱に巻き込み、新たなプロジェクトの資金調達を困難にしている。サンフランシスコからニューヨークに至る各都市で建設活動は減速。ビル開発の落ち込みは特にシカゴで顕著だ。建設アドバイザリー会社ライダー・レベット・バックノール(RLB)によれば、シカゴでは昨年8月時点で稼働していたクレーンはわずか9基。2017年末時点では、60基のクレーンが稼働していた。
中国企業を除外
MSCIは、市場の混乱に伴い中国株式市場の時価総額が大幅に減少していることを受け、世界的なベンチマークの組入銘柄から数十社の中国企業を除外する。最新の四半期見直しではMSCI中国指数から66社が除外された。これは少なくとも2年ぶりの多さとなる。変更は2月29日の取引終了時点で実施、MSCI・ACWI指数にも反映される。除外された企業には不動産関連の金地(集団)や緑城中国のほか、中国南方航空などが含まれている。
実施にばらつき
石油輸出国機構(OPEC)は新たに合意した追加減産について、最初の1カ月に部分的にしか減産を実施していなかったことが、報告書で明らかになった。OPECと非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、供給過剰の回避と価格押し上げに向けて、第1四半期(1-3月)に大幅な原油生産の削減を表明。クウェートとアルジェリアは速やかに分担分を実施したが、イラクの減産幅は目標達成に必要な削減量の約3分の1にとどまった。
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