- トランプ氏軍資金7月にも枯渇か、2%目標への道筋となお整合
- FRB当局者論文、モルガンSが数百人削減、AIでビリオネア
バイデン米政権はホワイトハウス当局者の「ブラックアウト期間」を半分に短縮しました。インフレや雇用などの経済指標発表後、30分でコメントできるようになります。1985年に導入された規則では、政府高官らが明るい解釈を述べる前に市場に情報消化の時間を与えるため、統計公表後1時間は発言が禁じられていましたが、これを改正。ソーシャルメディアで情報が瞬く間に流れる時代にある中、政権としては少しでも早くメディアに出演し、経済実績を有権者にアピールしたいという狙いがありそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
軍資金枯渇
ホワイトハウス返り咲きを目指すトランプ前大統領は、この夏にも選挙運動の軍資金を使い果たす可能性が高い。膨大な弁護士費用がかさむためだ。予想される現職バイデン大統領との一騎打ちを前に資金繰りに窮することになる。トランプ氏が2023年に弁護士費用に使った額は5120万ドル(約77億円)。さらに2660万ドルをスーパーPAC(政治活動委員会)の資金から充当することができる。しかし4件の刑事裁判を抱える中、使用できる資金は7月頃に尽きると予想される。7月は共和党の全国大会が開かれ、正式な選挙戦がスタートする極めて重要なタイミングだ。
なお整合的
シカゴ連銀のグールズビー総裁は、やや高めのインフレデータが数カ月続いても、米金融当局の2%目標に回帰する道筋となお整合するとの考えを示した。「過去6カ月に見られたようなデータが増えれば、その道筋が見えてくるだろうが、それは恐らく厳しい」と述べた。インフレのトレンドを単月の数字で判断しないことが重要で、当局の2%目標はCPIではなく個人消費支出(PCE)価格指数に基づいていると強調。2つの統計は「やや著しく」異なることがあると話した。
柔軟性欠く
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事とジェーン・イーリグ上級政策顧問は、新型コロナウイルス禍の時期に当局が示した政策ガイダンスについて、急速なインフレ高進に迅速に対応するための柔軟性が不十分だった可能性があると指摘した。両氏は新たな研究リポートで、政策金利の先行きに影響を与えることを目的とした2020年9月と12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の声明での文言に注目した。金融当局者らは2021年、インフレが急伸し始めたにもかかわらず緩和策の解除が遅かったとして批判を浴びた。
数百人削減
米銀モルガン・スタンレーは数百人の削減を計画している。こうした人員削減はテッド・ピック最高経営責任者(CEO)の下では初めてとなる。今回の削減で影響を受けるのは、資産運用事業の従業員の1%未満だと、事情に詳しい関係者は明らかにした。モルガン・スタンレーで最大部門である同事業は約4万人の従業員を抱える。ピック氏は1月にCEOに就任。同行は昨年、経費管理に再び注力するとともに、ディールメーキング低迷で手数料が落ち込む中、3000人余りを削減していた。
巨万の富生む
米半導体メーカーのエヌビディアは人工知能(AI)ブームの波に乗って時価総額で初めてアマゾン・ドット・コムを抜き、共同創業者ジェンスン・ファン氏の資産も急増した。AIブームはファン氏の遠縁の親戚で、エヌビディアの競合であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スー最高経営責任者(CEO)もビリオネアにした。スー氏の資産は、AMD株価が過去1年で倍になったことで12億ドル(約1800億円)に達した。
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