ロシアの反体制派指導者・アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)が収監先の北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で死亡した。16日にロシア刑務所当局が明らかにした。ロイターによると同刑務所は以下のような説明をしている。「ナワリヌイ氏は散歩の後に倒れ、意識を失い死亡した」と。ロシア側は蘇生措置など最大限の努力をしたと強調している。だが、プーチンが独裁的に支配するロシアだ。この説明を西側の人たちは誰一人信じないだろう。多くの人が殺害にはプーチンが関与しているはずだと思い込む。真実はいまのところわからない。過去にあった様々な事件や事故と同様に、今回も迷宮入りし真相は永遠に葬られるのかも知れない。3月には大統領選挙が控えている。真実は何処に?とりあえず西側諸国の反応を拾ってみることにする。
バイデン大統領は「ナワリヌイ氏の死がプーチンとその一味がやった行動による結果ということに疑う余地はない」と話した。その上で「ロシアへの対抗措置を検討している」と表明。「あらゆる選択肢を検討している」と付け加えた。同大統領は過去にナワリヌイ氏に関連して、「(殺害という事態が起これば)ロシアならびにプーチンは壊滅的な報復あうだろう」と予言している。「あらゆる選択肢」に何が含まれるのか、世界中の視線は同大統領に集まるだろう。EUのミシェル大統領。「ナワリヌイ氏は自由と民主主義の価値のために戦った」と故人を評価、今回の悲劇的な死について「ロシア政権に全責任を負わせる」と述べている。プーチンの最大の敵であるNATO。ストルテンベルグ事務総長は「全ての事実を明らかにする必要があり、ロシアは彼の死の状況に関するあらゆる重大な疑問に答える必要がある」と言及した。
英国のスナク首相、「ロシアの民主主義の最も強い擁護者として生涯を通して信じられないほどの勇気を示した」と絶賛。ドイツのショルツ首相も「ナワリヌイ氏は勇気の代償を命で払った」と強調する。フランスのマクロン大統領、「現在のロシアでは自由な精神は収容所に入れられ、死刑を宣告される」と非難している。EUは個人の業績を評価することに比重を置いているようだ。バイデン大統領のように対抗措置を口にする指導者はいない。目下の仇敵・ゼレンスキー氏。「プーチン大統領は自分の地位さえ守れれば、誰が死のうと構わない」と、相変わらずのプーチン攻撃。「ナワリヌイ氏は明らかにプーチン氏に殺された」と強調する。ロシアは遺族に対して死因は「突然死症候群」と説明しているようだ。生後まもない赤ちゃんに多い病気だ。個人的にはプーチンに「いい加減にしろ」と言いたくなる。