Paul Wallace

  • 女子サッカーやピックルボールに投資、ベンチャーや制作会社も設立
  • アスリートとしての寿命は短い、産業界トップから学び続けたい

女子テニスの大坂なおみ選手はグランドスラム(世界4大大会)で通算4回の優勝経験を持つ傍ら、投資に関しては女子スポーツ界の先駆者的存在だ。アスリートの心の健康について率直に語り、昨年7月に第一子を出産した大坂は先月、全豪オープンテニスで約1年ぶりに選手活動を再開した。

  ブルームバーグは今月3日にアラブ首長国連邦のアブダビでインタビューした。母親として娘を見守る喜びや自身の今後について語ったが、女性アスリートとして最高クラスの収入を得ている大坂は自身の投資やビジネスについても明かした。大坂はテニスと卓球とバドミントンを掛け合わせたようなスポーツ「ピックルボール」やサッカーのチームに投資、スポーツマネジメントのベンチャー企業を設立したりしている。この記事では投資を語った部分を抜粋する。

  ブルームバーグ:大坂選手はサッカーを応援するだけでなく、米国トップレベルの女子サッカープロリーグでプレーするノースカロライナ・カレッジやピックルボールに投資しています。また、スポーツマネジメント会社や映像などを制作する「HANA KUMA」も設立しました。それらを選んだ理由は何ですか?また次の投資先として何を考えていますか?

  私は自分が信じていることに向かって進みます。女子スポーツへの投資は私にとって常に大切なことでした。また、他の女性アスリートが制作会社を立ち上げていないことには衝撃を受けました。たとえつまずくことがあっても、人がまだやったことのないことに挑戦し、学ぼうとしているだけです。それが常に私の信条です。

  なぜピックルボールと女子サッカーに投資されるのでしょうか?長期的に良い投資先ですか?

  ここ数年間の女子スポーツ拡大を見ていたので、ノースカロライナ・カレッジへの投資はそれほど難しい決断ではありませんでした。私はサッカー観戦も大好きです。ピックルボールは未知のものでした。ずっと前から存在はしていましたが、最近人気が一気に爆発したような気がします。自分もピックルボールについて学び、レブロン・ジェームズ(米プロバスケットボール選手)も投資していることを知り、良い投資先だと考えるようになりました。

Naomi Osaka
2021年全豪オープンテニスの優勝トロフィーを手にする大坂なおみ選手
Photographer: Patrick Hamilton/AFP/Getty Images

  あなたはアスリートであり起業家だと言われています。それは引退後も変わりませんか?

  私は昔からとても好奇心旺盛な人間で、テニス選手であることで開かれる世界に足を踏み入れることに魅力を感じています。向こう30年にわたってテニスをプレーし続けることはできません。アスリートとしての寿命はそれほど長くありません。しかし、私はビジネスの世界のトップにいる素晴らしい人々にたくさん出会い、彼らから学ぶのは素晴らしいことです。それを続けていきたいと思っています。

  あなたは今26歳です。 30代までプレーするつもりですか?

  30代になってもプレーしていると思います。できる限り長く現役でありたいと思っています。私は選手として成長する過程でセリーナ・ウィリアムズ(元米プロテニス選手)と対戦するという非常に貴重な経験をしました。できるだけ長くプレーし、将来が見込まれる選手が私と対戦できればと思います。

  投資やビジネスアイデアで参考にするスポーツ界の人物は誰ですか?

  コービー・ブライアント(元米バスケット選手)レブロンを大いに尊敬しています。セリーナがベンチャーキャピタルを設立したことは、本当に素晴らしいことだと思いました。ビジネスをしている人と交流することはとても面白いです。パトリック・マホームズ(米プロアメリカンフットボール選手)や トム・ブレイディ(元米プロアメフト選手)を含めかなりの人がビジネスを手掛けています。

  将来有望なテニス選手やスポーツ選手に、お金や投資に関してどんなアドバイスをしますか?

  彼らが私からアドバイスを望んでいるか分かりませんが、失敗というものはないと言いたいです。全てが学びの機会になります。最も重要なことは、自分のやっていることに対して強い思いを持つことです。そうすれば、後悔することはなくなります。

原題:Naomi Osaka Talks About Her Future in Tennis and Her Investments(抜粋)