- アップルがEV開発中止、日銀は政策正常化すべき時と吉川名誉教授
- G20声明草案、ソニーGのゲーム子会社900人削減、ボウマン理事
先日閉幕したベルリン国際映画祭では、イスラエル人とパレスチナ人が共同製作した「No Other Land」が最優秀ドキュメンタリー賞に選ばれました。受賞スピーチで関係者は、イスラエルによるガザ住民への攻撃を「虐殺だ」と厳しく批判。これに対してドイツのロート文化相が拍手を送っていたとして、辞任を求める声が国内で上がっています。歴史的背景からイスラエル寄りの姿勢を取るドイツ政府。ロート氏は釈明に追われており、戦争が芸術イベントに影を落とす格好となりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
断念
米アップルは電気自動車(EV)を開発するという10年がかりの取り組みを中止する。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社史上最も野心的なプロジェクトの1つを断念することになる。アップルは社内でこの情報を共有し、同プロジェクトに携わる約2000人の従業員に驚きをもって迎えられたという。これら従業員は、同社にとって重要性がますます高まっている生成人工知能(AI)のプロジェクトに集中することになる。
財政への忖度不要
吉川洋東京大学名誉教授は、日本経済がインフレの状態にある中で、日本銀行は金融政策を正常化すべき局面にあるとし、金利上昇が日本の財政に与える影響にも忖度(そんたく)すべきではないとの見解を示した。日銀参与の吉川氏は27日のインタビューで、消費者物価がほぼ2年間も日銀の2%目標を上回る現状は定義に従えばインフレだとし、異次元と言われる金融緩和を「続ける状況ではない」と指摘。「当然、正常化すべき時だ」とした上で、経済・物価情勢に大きな異変がない限り、3月もしくは4月に「出口を迎えてもおかしくない」と語った。
「軟着陸の可能性高まった」
今週開かれる20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議の声明草案は「世界経済のソフトランディングの可能性は高まった」と指摘。「世界経済見通しに対するリスクはより均衡が取れている。上振れリスクとしては予想を上回るペースでのディスインフレなどがある」としている。一方で、主に落ち着きつつある商品価格や「適切な金融政策、供給目詰まりの緩和によって大半の国でインフレが後退した」とも記された。草案内容は最終ではなく、会議での協議次第となる。
8%削減
ソニーグループはゲーム子会社で全従業員の約8%にあたる900人を削減することを明らかにし、ロンドンの事業グループ解散も提案した。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のジム・ライアン社長兼最高経営責任者(CEO)は今回の人員削減について、「数カ月間、慎重に検討を重ね、リーダーシップチームで何度も議論を行った結果、今後もSIEの事業を成長させ、会社を発展させていくためには、この改革が必要であるという結論に至った」と述べた。
利下げ開始は尚早
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、金利が現行水準で維持された状態でインフレ率はさらに低下し続けるとの見通しをあらためて示した。ただし、利下げを開始するには時期尚早だと述べた。「インフレ率が当局の2%目標に向かって持続的に低下していることが今後のデータで引き続き示唆されれば、金融政策が過度に抑制的にならないよう政策金利を徐々に引き下げるのがいずれ適切になるだろう」とした上で、「私の見解では、まだその地点には達していない」と語った。
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