• 驚異的なエヌビディア株急伸に警戒感、ガザ戦闘休止巡る交渉の行方
  • OPECプラス減産6月末まで、ヘイリー氏の抵抗、不妊治療最前線
The Capitol building reflected in a puddle in Washington, DC, US.
The Capitol building reflected in a puddle in Washington, DC, US. Photographer: Eric Lee/Bloomberg

今週、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に半期に一度の議会証言を義務付けているのが、通称ハンフリー・ホーキンス法(完全雇用・均衡成長法)。1964年に成立した公民権法の法案作成を率いたハンフリー、ホーキンス両議員(民主)が、新しい時代に合わせようと従来の雇用法(1946年成立)をアップデートしたものがこの法律と言えるでしょう。両議員が目指した「完全雇用」は達成されるのか。2月の米雇用統計は今週8日に発表されます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

テスラの二の舞か

米半導体メーカー、エヌビディア株の驚異的な上昇は、期待が失望に変わり急落に転じたテスラを思い起こさせる。かつて一部のアナリストから「次のアップル」との評価も聞かれたテスラは、株価が2021年に付けたピーク水準から50%余り下落。連れ高となっていた他のEV株にも、かつての勢いは全くない。50パーク・インベストメンツの創業者、アダム・サーハン最高経営責任者(CEO)は「投資家が最新の技術革新に関するアイデアにほれ込み、論理が二の次になる状況を何度となく見てきた」と発言。エヌビディアはその熱狂的サイクルのかなり初期段階にあり、減速の兆しは今のところ見えないが、競合企業も市場の一角奪取を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

カイロへ

パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止を目指す協議が開かれるカイロに、イスラム組織ハマスは代表団を派遣したことを明らかにした。一方で、昨年10月の急襲で人質に取った人のうち、生存者のリストをイスラエルに渡すのを拒否しているとの一部報道もある。イスラエル高官は匿名を条件に、ハマスが具体的な質問への回答をしないなら同国としてエジプトにハイレベルの代表団を送ることはないと述べた。米当局者は2日、イスラエルが6週間の戦闘休止を基本的に受け入れたと明らかにしている。女性や高齢者、病人、負傷者を含む弱い立場にある人質の解放にイスラム組織ハマスが同意することが条件だという。

6月末まで

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、現行の産油抑制措置を6月末まで延長することで合意した。複数の参加国代表が明らかにした。現行措置は名目上、日量約200万バレルの減産に相当する。トレーダーやアナリストの間で減産延長は広く予想されていた。中東の戦争で地域の海運が脅かされているにもかかわらず、今年の原油供給は潤沢な水準を維持し、原油国際価格は1バレル当たり80ドル近辺で安定している。

敗退しても

11月の米大統領選に向けた共和党の候補指名争いでトランプ前大統領に大きく差を付けられているヘイリー元国連大使は、敗退してもトランプ氏を支持しない可能性を示唆した。NBCとのインタビューで「どう決断するかは自分で決めるつもりだ」と表明。「共和党全国委員会(RNC)はもはや、かつてのRNCではない」と、党候補を支持するとの誓約には拘束されない考えを示した。リアルクリアポリティクスの全国世論調査平均によると、トランプ氏は指名争いでヘイリー氏を64ポイントリードしている。

フェムテックが支援

働きながら不妊治療を続ける苦労を和らげる新たな技術やビジネスが誕生している。スタートアップのVarinos(バリノス)は子宮内フローラ(細菌の集合体)の検査を開発。医師が細菌の状態に応じて抗生物質やサプリメントを投与して子宮内環境を改善、妊娠を目指す。デジタル化による治療効率化を目指すARCHは、電子カルテシステムと患者が利用できるアプリを連携させることで、受診手続きや待ち時間の短縮を図る。不妊治療が保険適用となったことで、これまで自費診療だった体外受精・顕微授精などの基本的な生殖補助医療は3割の自己負担で受けられるようになった。

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