• 米予算教書、銀行の最低準備率巡るECB方針、ビットコイン上昇
  • レディットがIPOの仮条件設定、大型ハイテク株割高ではない
Elon Musk
Elon Musk Photographer: Jordan Vonderhaar/Bloomberg

イーロン・マスク氏は11日、人工知能(AI)会社xAIが同社のチャットボット「Grok(グロック)」を今週オープンソース化すると明らかにしました。マスク氏は「ChatGPT(チャットGPT)」を手掛けるオープンAIの共同設立者の一人ですが、その後に袂(たもと)を分かち、同社に対抗してxAIを設立しました。最近ではオープンAIを提訴。訴状では同社について、「マイクロソフトのクローズドソースの事実上の子会社」と記しており、今回のGrokオープンソース化でもオープンAIを強く意識していることがうかがえます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

約1070兆円

バイデン米大統領は7兆3000億ドル(約1070兆円)に上る2025会計年度(24年10月-25年9月)予算教書を公表した。富裕層や企業への課税を強化することで、中間層への優遇税制措置などを拡充する内容。高水準の住宅ローン金利による影響を相殺するために、一部の住宅保有者が税額控除を毎月受けることが盛り込まれた。また育児支援金の給付や、処方薬の価格引き下げに向けて政府が新たな権限を行使することも挙げた。一方、税制の抜本的改正を行う予定で、法人税率引き上げのほか、超富裕層や大企業に対する最低税率の導入などが含まれる。ただ議会は党派によって分断されており、教書の中身がそのまま成立する見込みはほとんどない。

1%で維持か

欧州中央銀行(ECB)の当局者は、域内の銀行に金利ゼロで中央銀行への預け入れを義務づける最低準備金について、目先の変更に反対する方向に傾いている。事情に詳しい関係者が明らかにした。関係者によると、金融政策運用の新たな枠組みを巡る13日の重要な会合を前に、ECB政策委員会のタカ派委員の一部はいわゆる最低準備率(MRR)を現在の1%から引き上げるよう働き掛けてきたが、この主張への賛同は広がっていない。

勢い増す

 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは6営業日連続で上昇し、7万2000ドルを突破した。今年の上昇率は約70%に達している。米国の上場投資信託(ETF)への大量資金流入がビットコイン価格を押し上げた。イーサ、ソラナ、アバランチなど他の仮想通貨も上昇。新しいビットコインETFの取引が2カ月前に米国で始まって以来、約100億ドル(約1兆4700億円)が純流入し、仮想通貨の幅広い値上がりに火を付けた。

大型案件に

ソーシャルメディアのレディットは11日、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で、新規株式公開(IPO)のさらなる詳細を明らかにした。最大で7億4800万ドル(約1100億円)規模を目指しており、今年の大型上場案件となる。書類によると、レディットと株主は2200万株を1株当たり31-34ドルで売却する。約1530万株はレディットが売却し、残りはレディット従業員である投資家が売り出す。

割高ではない

ウォール街のストラテジストの間で、米大型テクノロジー株のバブル懸念を否定する声が増えている。JPモルガン・チェースのチームは、米国株の記録的な上昇の原動力となったハイテク大手7社、「マグニフィセント・セブン」のバリュエーションは、S&P500種株価指数の他の構成銘柄との比較で、過去5年間の平均よりも低い水準にあると指摘した。「マグニフィセント・セブンの強烈なアウトパフォームには懸念があるが、収益の伸びを考えると、数年前ほど買われ過ぎの水準にない」とストラテジストのミスラブ・マテイカ氏がリポートで論じた。

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