- PPIが大幅上昇、USスチールは米資本維持を、不動産で好機到来
- エジプト通貨急落の賭けが奏功、TikTok買収に向け投資家と協議
2月の米生産者物価指数(PPI)は大幅な伸びとなり、インフレの根強さが改めて示唆されました。2日前に発表された消費者物価指数(CPI)でも強めのデータが出ており、米金融当局としては「利下げを急がない」姿勢を維持する根拠が増えたと言えそうです。今回のPPIには金融市場も敏感に反応しており、米国債利回りは急伸。金利スワップ市場が織り込む今年の米利下げ幅は75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満となりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
兆候増える
2月のPPIは市場予想を上回る伸びを示し、6カ月ぶりの大幅上昇となった。燃料や食品価格が上昇し、インフレの高止まりを新たに示唆した。PPIは前月比0.6%上昇(市場予想0.3%上昇)。前年同月比では1.6%上昇(予想1.2%上昇)と、昨年9月以来の高い伸びだった。食品とエネルギーを除くコアPPIでも前月比、前年比ともに伸びが予想を上回った。
米国で保有を
バイデン米大統領は、日本製鉄が買収を計画しているUSスチールについて、米国資本の企業として存続するべきだとの考えを示した。バイデン氏は声明で「USスチールは1世紀以上にわたって米国を象徴する鉄鋼会社だった。米国の鉄鋼会社として国内で保有され、経営を続けていくことが極めて重要だ」と言明。今回の声明では、買収計画に対する連邦当局による現在進行中の精査には言及しておらず、計画を阻止する方針だとも明言していない。
行動する好機
世界最大のオルタナティブ資産運用会社、米ブラックストーンのジョン・グレイ社長は不動産価格が底打ちしたと指摘。値崩れした資産を素早く買い上げるべき好機が訪れていると述べた。「極めてネガティブなセンチメントの中で価値下落がすでに起きており、底打ち局面に入った時が行動するタイミングだ」と、グレイ氏はインタビューで話した。
賭けが奏功
世界最大級のヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントは、エジプトが通貨切り下げを決めた際に数千万ドルの利益を得たと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ミレニアムのトレーダー、ナビーン・チョッパラ氏は、エジプトが経済危機を食い止めるため通貨の切り下げを容認すると予想。6日のエジプト中央銀行の臨時会合後に通貨ポンドが急落し、チョッパラ氏は約4000万ドル(約59億3000万円)の利益を得たという。同氏は今回の賭けを行う上で、ノンデリバラブル・フォワード(NDF)と呼ばれるデリバティブを利用したと、関係者らは指摘した。
TikTok買収目指す
ムニューシン前米財務長官は、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を中国の字節跳動(バイトダンス)から買収するための投資家を集めている。TikTokについてムニューシン氏は「素晴らしいビジネスだ」とCNBCのインタビューで発言。「米国の企業が所有すべきだ。中国が国内で米国企業にこのようなことはさせないはずだ」と語った。すでに多くの投資家候補と協議しているとしたが、具体的な内容については明言を避けた。
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