Mark Gurman

  • AI分野で出遅れのアップル、経営資源集中し巻き返し図る
  • 今年はAIで「新天地切り開く」-クックCEOが先に表明

米アップルがカナダの人工知能(AI)スタートアップ、ダーウィンAIを買収していたことが明らかになった。生成AIへの取り組みを加速させるべく、アップルは技術の取り込みを進めている。

  事情に詳しい関係者によると、買収が行われたのは今年に入ってからで、ダーウィンAIの従業員数十人がアップルに移籍した。非公開情報であることを理由に関係者は匿名を条件に語った。  

  ダーウィンAIは、製造工程で部品を検査するためのAI技術を開発し、さまざまな業界の顧客にサービスを提供している。しかし中核技術の一つは、AIシステムの小型化と高速化で、AIをクラウド上ではなくデバイス上で動かすことに重点を置くアップルにとって、その技術が役に立つ可能性がある。

  ウォータールー大学のAI研究者で同事業の立ち上げに貢献したアレクサンダー・ウォン氏は、今回の買収の一環としてアップルにAIグループのディレクターとして加わった。

  アップルは同買収に関する質問に対し、「当社は小規模のテクノロジー企業を時折買収する」と答えたが、具体的な計画については言及しなかった。

  同買収は、アップルがAIへの大々的シフトを打ち出すのに先駆けて行われた。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は先に、今年はAIで「新天地を切り開く」と表明。早ければ6月の世界開発者会議(WWDC)で何らかの発表があると期待されている。

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原題:Apple Buys Canadian AI Startup as Part of Race to Add Features(抜粋)