- 日銀「正常化踏み切る空気感」、トランプ氏の次期FRB議長候補
- 大量引き抜きで提訴、米利下げ見通し3回に、インド国産AIの未来
米国で再燃した「TikTok(ティックトック)」禁止論。党派対立で議会が機能不全に陥っていると言われる中、下院で法案が圧倒的支持を得て可決された背景には、選挙イヤーに米世論を操作されかねないとの危機感があったとされます。ある調査によると、TikTok上では、イスラエル支持とパレスチナ支持のコンテンツ視聴回数は1対54と大きく偏っています。法案への反対を地元議員に訴えるようTikTokがユーザーに働きかけたことでかえって世論誘導への疑念が深まり、異例の結束へとつながりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
日銀転換へ備え
東京短資の若松宏和執行役員マーケットオペレーション部長は、日本銀行のマイナス金利政策解除の可能性について「もうこれはやる、というような空気になっているのは確かだ」と述べた。過去1カ月、金融機関などの顧客からは将来の金利水準はどうなるかといった相談が急増しているという。日本経済新聞の電子版は、日銀がマイナス金利政策のほか、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)や上場投資信託(ETF)などリスク資産を買い入れる枠組みをなくし、大規模緩和の解除を決める方針だと報じた。
次期FRB議長候補
トランプ前大統領は、当選したら連邦準備制度理事会(FRB)議長に経済学者のアーサー・ラッファー氏かウォーシュ元FRB理事、ハセット元大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名するかもしれない。トランプ氏のブレーンを務めるスティーブ・ムーア、ラッファー両氏が3人に絞った候補者リストをトランプ氏に提示した。ムーア、ラッファー両氏が挙げた候補は政治色が鮮明で、FRBの独立性が脅かされるとの不安をかきたてている。
大量引き抜きで提訴
米資産運用会社ベアリングスは元社員2人および、野村ホールディングス(HD)が出資するプライベートクレジット・プラットフォームの英運営会社コリンシア・グローバル・マネジメントに対し、法的手続きを開始した。コリンシアはベアリングスで法人向け直接融資を担当していた20人余りを引き抜いた。ベアリングスの広報担当者は「コリンシアが当社の顧客と従業員を狙い続け、当社の企業秘密や部外秘の情報を不正に利用し続けることを止めるため一時的な制限措置と仮処分を求めて法的手続きを開始した」と発表文で説明した。
米利下げ見通し
ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、今年の米利下げ見通しを0.25ポイントずつで計3回に引き下げた。従来は4回を予想していた。「インフレ軌道が若干上昇したことが主な理由」だとしている。最初の利下げについては引き続き6月を予想。2025年に4回の利下げ、26年に最後の1回との予測も変えず、政策金利の最終的な水準は3.25-3.5%になるとの予想も据え置いた。債券市場では年内の米利下げ観測が後退を続けており、金利スワップ市場では6月利下げの確率が50%を割り込んだ。
インド国産AIの未来
インドの新興企業ヨッタ・データ・サービシズのスニル・グプタ最高経営責任者(CEO)は、国内の大手テクノロジー企業やコングロマリットに先んじてエヌビディア製GPU「H100」で国産AIモデルの構築を目指している。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOとの間で築いた人間関係もこれを後押しする。ヨッタはエヌビディアが今週開催する開発者会議でも紹介される予定だ。フアン氏はインドについて「データも人材もある。ここは世界最大のAI市場の一つになるだろう」と述べている。
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