- FOMC年内3回利下げ予想維持、インテルに巨額補助金
- 排ガス規制強化、中国半導体企業への制裁検討、円安防衛の「火力」
トランプ前米大統領が返り咲いた場合の閣僚人事が市場の関心を集めています。有権者の間で経済運営についてはトランプ氏を信頼するとの声は根強く、財務長官や連邦準備制度理事会(FRB)議長の候補が伝わる背景には、経営者出身の大統領として手腕をアピールしたい思惑も透けます。ただ、気に入らなければ「お前は首だ!」が決めぜりふのトランプ氏。2018年12月には自ら指名したパウエルFRB議長の解任をちらつかせ、株価急落を招きました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
年内3回の予想維持
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2024年の利下げについて0.25ポイントを3回という従来予想を据え置いた。一方で25年については、最近のインフレ上振れを踏まえて利下げの予想回数を4回から3回に減らした。声明では「雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、より良いバランスへと移行しつつあると委員会は判断している」と記した。また毎月最大950億ドル(約14兆4000億円)のバランスシート縮小を継続する方針を改めて表明。今年の基調的インフレ率については2.6%と従来予想(2.4%)から引き上げた。
インテルに補助金
米政府はインテルの半導体工場拡張を後押しするため85億ドル(約1兆3000億円)の補助金を供与するほか、110億ドルの融資を提供する。2022年に成立した国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づく拠出額としては過去最大で、先端半導体製造では同社が初となる。米国は2020年代の終わりまでに先端ロジック半導体で世界全体の5分の1を生産することを目指しており、目標を実現する上でインテルの投資は重要な鍵を握る。
排ガス規制強化
バイデン米政権は自動車の排ガス規制を強化した。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の販売を急激に押し上げる可能性がある。当面の要件はメーカーからの反発を受けて緩和されたが、環境保護局(EPA)が新たに課した義務によって、各社はゼロ排気車へのシフトを急ぐ必要が出てきた。EPAのリーガン局長は「米国史上、最も厳しい自動車排ガス基準になる」と記者団に新ルールを説明した。
中国への制裁検討
バイデン米政権は中国の華為技術(ファーウェイ)が昨年、技術的に大きな進歩を遂げたことを受け、同社と関係がある複数の中国半導体企業を禁輸対象である「エンティティーリスト」に掲載することを検討している。関係者が明らかにした。影響を受ける可能性がある中国企業の大半は、ファーウェイが施設の取得や新設を通じて中国国内に構築しようとしている半導体製造ネットワークとして、米半導体工業会(SIA)が特定していた。
円安防衛の「火力」
マネックス・ヨーロッパは、日本銀行によるイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の廃止で国債利回りの変動が今後より柔軟になるため、日本の通貨当局は円を防衛する「火力」を得たとみている。外国為替分析責任者サイモン・ハービー氏はドル・円相場は依然として米国の金利動向に左右されるが、日本の通貨当局による「口先介入はより効果的になり、将来の政策期待をタカ派的な方向へ誘導し、円を下支えすることができる」と述べた。
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