Jennifer Creery、Shirley Zhao、Andy Hoffman
- 1-3月に中国での販売大きく減少、グッチを持つ仏ケリング発表
- 失業の増加や不動産市場の低迷が消費者信頼感を損なっている
中国での消費減速に対する懸念がこの1年の大半、高級品業界を悩ませてきた。先週はファッションブランド最大手の一角、グッチが問題の大きさを突き付けられた。
フランス高級品メーカーのケリングは先週、傘下のグッチについて、中国での販売が1-3月(第1四半期)に大きく減少していることを明らかにした。これを受けてケリングの時価総額は90億ドル(約1兆3600億円)消失した。
仏ケリング、時価総額72億ユーロ吹き飛ぶ-中国需要への懸念強まる
他の高級ブランドにも中国での消費減速の影響は表れ始めている。スイスの高級腕時計は2月に輸出が減少。中国本土向けは前年同月比25%、香港向けは同19%それぞれ減った。アナリストの間では、中国での高級品需要は年内に一段と冷え込むと予想されている。
上海で暮らす銀行員、ウ・シアオファンさん(34)は「ここ何年もグッチのバッグを買っていない」と話す。一時はグッチに夢中で、2016年にイタリアに旅行した際には同ブランドのバッグを3つ買ったという。「新しいデザインは良くない」と語った。
中国で高級品を購入してきた世代は、ウさんのように現金の使い道について以前よりも選別色を強めている。失業の増加や不動産市場の低迷が消費者信頼感を損なっている上に、デフレ圧力により世界最大級の消費市場である中国の経済成長に対する懸念が深まっている。
原題:Gucci’s China Shock Reverberates Across the Luxury Landscape(抜粋)