7月に実施される東京都知事選を前に、小池百合子東京都知事の学齢詐称問題が再燃している。文藝春秋が5月号で元側近と当時カイロで小池氏と生活を共にしていた知人2人の手記を掲載したことが発端。記事を読む限り小池氏の学齢詐称は間違いない事実との印象を受ける。だだ、どうやら問題はそれほど単純ではないようだ。5月5日にYouTubeに投稿された「郷原信郎の『日本の権力を斬る』#329」によると、今回の問題はエジプト政府と軍部の“威信”に真っ向から挑戦する形になっているという。わかりやすく言えば、小池氏による学歴詐称はエジプトの国家権力が“お墨付き”を与えた詐称だと言うのだ。カイロ大学という良識の府を舞台にした学歴期詐称問題の本質は、政治家と国家権力による国際的な政治スキャンダルといった方がいいかもしれない。単純な日本人の思考様式では手に負えない側面がありそうだ。
こうした主張を展開しているのは郷原氏の番組にゲスト出演した浅川芳裕氏だ。「カイロ大学」の著者で、同大学の文学部で学んだジャーナリスト。エジプトの実情に詳しい同氏によると、小池氏のカイロ大学卒業は「超法規的法律」によって認められているという。超法規的法律ってなんだ?要するに国家とそれを支える軍部が容認している「卒業」ということのようだ。小池氏はエジプトと親密な関係にある。国内の政局が騒がしくなると常にこの人が顔を出してくる。防衛大臣や環境大臣を経験し、今は東京都知事だ。一見真っ当なことを言う。だから政治的な力量が大きいように見える。エジプトとの関係ではO D Aや民間融資の斡旋を積極的に行ってきた。浅川氏によると小池氏が仲介したエジプトへの投融資は300億円に達するという。エジプトに限らずアラブ諸国の駐日大使は赴任すると真っ先に小池氏に挨拶にいくのだそうだ。彼の地における小池氏の影響力は絶大なのである。
エジプトからみれば利用価値が高い小池氏だ。アラビヤ語が流暢に話せなくても、カイロ大学文学部を卒業できなかったとしても、大した問題ではない。4年前の都知事選の時にはカイロ大学が声明を発表して“卒業”を追認した。同声明には国印が推されているという。この声明が功を奏して小池氏は都知事選に圧勝した。だが、ここに大きな“落とし穴”があった。小池氏は自らエジプトの国家権力を、都知事選挙という公選に利用したのだ。これは民主主義国家においてあってはならないこと。同じことをエジプトで行えば国家反逆罪に該当すると、浅川氏は指摘する。プーチンは2016年に米大統領選挙に介入した。だがこれはプーチンが勝手にやったこと。小池氏は自ら学歴詐称よりもはるかに重い罪を犯していたことになる。日本人離れした行動力で権力を身につけてきた小池百合子氏。この人の過去、現在、未来を日本の有権者はどう評価すべきなのか・・・
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