• アームの見通し精彩欠く、香港インサイダー事件の余波広がる
  • インテルに対中規制の影響、金利より長く維持、次の標的は金融業界

今年の2月、英半導体設計会社アーム・ホールディングスのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)は四半期決算の発表後、人工知能(AI)ブームは「まだ始まったばかり」と述べ、株価が急騰しました。アーム株はピークから約3割値下がりしているものの、予想株価売上高倍率(PSR)は27.1倍と、AIハードウエア銘柄の中で最も割高です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

見通し精彩欠く

ソフトバンクグループ傘下アーム・ホールディングスの株価が8日の取引で下落した。通期売上高について精彩を欠く見通しを示した。ハイテク業界のAI投資ブームが下火に向かっているとの懸念が強まった。発表資料によると、2025年3月期の売上高は38億-41億ドル(約5900億-6400億円)の見通し。1株利益は1.45-1.65ドルを見込む。アナリスト予想は、売上高が26%増の40億1000万ドル、1株利益は1.53ドルだった。

インサイダー事件巡り

JPモルガン・チェースと野村ホールディングスは、アジアのヘッジファンド運営会社セガンティ・キャピタル・マネジメントとの取引を制限する。セガンティは香港でインサイダー取引事件の責任を問われている。関係者によると、JPモルガンはグローバルの新規株式公開(IPO)と新たなブロック取引でセガンティと今後関与しない。野村は当面、セガンティとの取引にレバレッジや新たなポジションを加えることはしない方針だ。

中間値下回る

インテルは4ー6月(第2四半期)の売上高が依然として従来の予想レンジである125億-135億ドル(約1兆9400億-2兆1000億円)の範囲内にはとどまるとみているが、「中間値は下回る」との見解を示した。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)向けの半導体輸出を米政府が新たに禁止したことが響くとみる。関係者によると、米政府は7日、ファーウェイに対する輸出規制を一段と強化し、同社向けにインテルやクアルコムが半導体を輸出するライセンスを取り消した。

より長く金利維持

ボストン連銀のコリンズ総裁は需要を抑制し物価上昇圧力を低減するには、おそらく従来の想定以上に長く金利を高水準に維持する必要があるとの考えを示唆した。今年に入りインフレ鈍化の進展が欠如している点に言及。インフレ率が確実に2%目標に向けた持続的な軌道を維持するには、経済成長の減速が必要になるだろうと述べた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事はノンバンク投資会社による融資の増加は注視する必要があるが、金融システムに過度なリスクはもたらしていないようだと述べた。

次は金融業界

2023年に米MGMリゾーツ・インターナショナルのカジノやホテルで業務を妨害したハッカー集団は、今度は銀行や保険会社を標的にしている。保険会社を中心にサイバーセキュリティーのリスクを調査するレジリエンス・サイバー・インシュアランス・ソリューションズが明らかにした。「スキャッタードスパイダー」として知られるハッカー集団は、4月20日以来29社を標的にし、少なくとも保険会社2社のシステムに不正侵入している。

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