与党である自民党と公明党の政治資金規正法改正案づくりが破綻した。パーティー券の公開基準を巡り両党の折り合いがつかなかったようだ。目くそ鼻くそを笑う式の分裂だ。どちらもことの本質とは無縁の「見せかけづくり」に精を出している。パーティー券をめぐる裏金づくりの本質は「非課税」「非公開」「非常識」という、いってみれば自民党の政治家に染みついた“3非”の存在にある。政治活動費は非課税が原則で、何に使ったか公開する必要はない。いつ誰が決めたか知らないが、そんな無茶苦茶な原則が罷り通っている現状に楔を打ち込まない限り、有権者の信頼を勝ち得る術はない。にもかかわらずだ、こんな常識的なことが通用しないのが与党の自民党と公明党だ。野党も似たり寄ったりか。女性議員が研修と称して贅沢三昧のパリ観光をしたり、懇親会に招いたコンパニオンに口移しでチップを渡すといった自民党青年局の振る舞いなど、この人たちには常識が通用しないようだ。
要するに「非常識」な人たちなのだ。女性議員に限らず自民党の国会議員はまるで“特権階級”のように振る舞っている。非課税、非公開は当然という精神構造の持ち主たちだ。この現状を変えない限りクリーンな政治など実現するわけがない。信頼回復に全力投球すると称している岸田自民党、パーティー券の公開基準を20万から10万円に引き下げると主張している。公明党は5万円だ。これが抜本改革?個人的には政治活動費の「完全公開」、「完全課税」が実現すれば個人であれ企業であれ、献金に上限を設ける必要はないと思っている。シンプルで簡単だ。ドロドロとした政治資金に透明感が出る。だが、そんなことは野党も主張しない。企業献金廃止という表面的な透明感にこだわっている。「政治にカネがかかる」というのが非常識な政治家たちの常識になっている。それ自体が非常識だ。資金使途を公開しない限りなぜ政治にカネがかかるのか、誰にもわからない。
問題は国家機密とカネの問題だ。これは完全公開のネックだ。これをクリアするためには「完全公開」の原則に例外を設けるしかない。一般国民から選ばれた委員で構成する「例外認定委員会」をつくる。その場合も10年後、20年後、30年といった公開日を設定する必要があるだろう。政治活動はすべからく公開されるべきだ。政治家の活動は大半が水面下で行われている。政治というのは利権に限らず利害得失が絡む活動であることは間違いない。全ての政治活動を「見える化せよ」というつもりはない。とはいえ、民主主義である以上政治の主役は国民だ。民に報告できない活動が許されるわけもない。政治活動費も課税すべきだ。国民はすべからく税金を払っている。非課税が妥当な政治活動費というのはあくまで例外だ。これは完全課税の下で例外を作ればいい。原則を守りながらわずかな例外をつくる。これが民主的な政治プロセスではないか・・・
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