Carter Johnson
- 中・高所得の米国民は高い「金利から大きな恩恵を受けている」
- 中・高所得者の消費がサービスインフレを高水準に保っている
ブラックロックのグローバル債券担当最高投資責任者(CIO)、リック・リーダー氏は、従来の常識に反するアドバイスをする。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑える最善の方法は、金利を上げることではなく下げることだという。
「利上げが実際にインフレ率を下げるかどうかはわからない。実は、金利を下げればインフレ率は下がるというのが私の主張だ」とリーダー氏は17日に放映されるブルームバーグテレビジョンの番組「ウォールストリート・ウィーク」でのインタビューで語った。
同氏は、政策金利がここ数十年で最も高い水準で据え置かれていることで、裕福な米国人は債券投資からここ数年ないほど多くの収入を得ていると指摘。中・高所得の米国民は高い「金利から大きな恩恵を受けている」と語った。
さらに「われわれはサービス経済に移行しており、より多くのお金がサービスに費やされている」として自動車保険や医療保険といったサービス部門全体の粘着性インフレを指摘。「高齢者、中・高所得者が消費をして、サービスレベルのインフレを高水準に保っている」と解説した。
「テニスシューズの値段は20年前と同じだが、テニスの試合を見に行けば、チケットの値段はかつての2倍だ」と付け加えた。
15日発表のデータは4月の消費者物価の伸びが鈍化したことを示した。しかし、データは住居費から自動車保険や医療に至るまで、サービス経済の一部の分野では物価上昇を抑えるのが難しいことを示している。
それでも、4月の消費者物価指数(CPI)発表で「最悪の懸念は払拭(ふっしょく)された」とリーダー氏は述べ、「物価が安定し、多くの人々が雇用され、労働人口が増加し、成長率が少し緩やかになっているのであれば、それはとても良いことだ」と語った。
原題:BlackRock’s Rieder Says Cut, Not Hike, Would Tame US Inflation(抜粋)