Amara Omeokwe、Craig Torres

  • 物価データの成績は「Cプラス」、落第ではないが優秀とも言えず
  • アトランタ連銀総裁、10-12月に利下げ開始できる可能性高い

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は21日、物価データの軟化が今後3-5カ月間続けば、金融当局は年末の利下げ実施も検討できるだろうと述べた。

  同理事は米経済専門局CNBCとのインタビューで、「データが今後3-5カ月間にわたり軟化し続けた場合は、年末の実施さえも考えられる」と発言。「正しい方向に向かうデータが十分得られたなら、われわれは年内ないし来年初めの利下げを考えることができる」と語った。

  ウォラー理事はこの日、ピーターソン国際経済研究所で講演し、利下げを開始するには良好なインフレ数値を「あと数カ月」確認する必要があると述べていた。

  同理事は講演で4月の消費者物価指数(CPI)について、物価圧力が加速していない兆候だと指摘。4月のCPIは変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースで、前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化した。同理事はまた4月の小売売上高についても、労働市場の減速を示唆する兆候だとした。

  「最新のCPIデータはインフレが加速していないという良い兆候であり、消費と労働市場に関するデータはインフレを押し下げる圧力を加えるという意味で、金融政策が適切に設定されていることを示唆していると私には見受けられる」と述べた。

Federal Reserve Hosts FedListens Event
ウォラーFRB理事Photographer: Al Drago/Bloomberg

  また同理事は質疑応答で、「3、4カ月の据え置きで経済が崖から急転落するようなことにはならないだろう」と話した。

  ウォラー理事以外にも複数の当局者がここ最近、政策金利を従来想定していたよりも長期間据え置く必要性があるかもしれないとの見解を示している。政策金利は昨年7月から23年ぶりの高水準に据え置かれている。

  同理事は講演で、2%目標に向かうという意味で物価データは小幅な進展を見せたに過ぎないとし、「私がまだ教授で、このインフレ統計に成績を付けるとすれば、Cプラスを与えるだろう。落第から程遠いが優秀とも言えない」と発言した。

  さらに、「労働市場に著しい軟化が見られないため、金融政策のスタンス緩和を快く支持するには、もう数カ月良好なインフレデータを確認する必要がある」と述べた。追加利上げは「恐らく不要だろう」とも話した。講演後のディスカッションでは、金利の次の動きは引き下げだろうとの予想を示した。

アトランタ連銀総裁

  これより先、アトランタ連銀のボスティック総裁は景気を刺激することも減速させることもない中立金利の水準を巡って、金融当局者は活発な議論を行っていると述べた。

  ボスティック氏は長期的な中立金利について「誰もがそのダイナミクスを再考している」とした上で、「まだ結論は出ていない。年内に一段と深く掘り下げていくことになるだろう」と話した。アトランタ連銀がフロリダ州アメリア島で開催した会議の合間に記者団に語った。

  さらにインフレが今後も緩やかに鈍化するとの見方を改めて表明。米金融当局は10-12月(第4四半期)に利下げを開始できる可能性が高いと述べた。

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原題:Waller Says Fed Could Cut ‘End of This Year’ If Data Softens
Fed’s Waller Needs Several More Good Inflation Prints to Cut (1)
Bostic Says Fed ‘Rethinking’ Views on Neutral Policy Rate(抜粋)