Henry Meyer

  • デュミン氏は国家評議会書記に、州知事から補佐官に転任したばかり
  • 「デュミン氏を後継者として試している」-政治コンサルタント
ロシアのプーチン大統領(右)とアレクセイ・デュミン氏(左)
ロシアのプーチン大統領(右)とアレクセイ・デュミン氏(左) Source: SPTNK/Getty Images

ロシアのプーチン大統領はアレクセイ・デュミン氏を主要ポストに任命した。かつてプーチン大統領の警護官だった人物が後継者候補として育成されているとの観測が広がっている。

  29日のロシア大統領府声明によると、プーチン大統領はデュミン氏(51)を国家評議会書記に任命した。「内政と外交の戦略的目標と課題」を策定する国家評議会には、大統領府当局者や政府高官、国会議員や地域指導者が集まる。

  大統領府と関係があるモスクワの政治コンサルタント、エフゲニー・ミンチェンコ氏はプーチン大統領がデュミン氏を大抜てきし、国家レベルの舞台で活躍できる機会を与えたと指摘。「プーチン氏がデュミン氏を後継者として試しているのは明らかだ」と述べた。

  71歳のプーチン大統領がすぐに退任する気配はない。3月の大統領選挙では87%の得票率で勝利し、2030年までの5期目に突入。20年の憲法改正で、36年までさらに6年間の任期延長が可能だ。

  プーチン氏は5月に5期目就任後の人事で、デュミン氏をそれまでのトゥーラ州知事から大統領補佐官としてクレムリンに移動させた後、今回のポストに任命した。

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  デュミン氏は1999年からプーチン氏の身辺警護に当たり、大統領をクマから守ったとの逸話もある。プーチン氏とアイスホッケーをする側近の一人でもある。

  デュミン氏は軍参謀本部情報総局(GRU)特殊作戦部門の副責任者として、2014年にウクライナからクリミアを奪取するのに貢献した。ロシアのウクライナ侵攻に関与したとして国際社会からの制裁対象になっている。

  国家評議会はプーチン氏が憲法を改正して自らの任期をさらに2期延長できるようにし、その権力を強化するまで、主に儀礼的な役割を担っていた。

  プーチン大統領は今月、長年の盟友であるショイグ国防相を更迭。経済学者のアンドレイ・ベロウソフ第1副首相(65)を国防相に任命した。ショイグ氏は安全保障会議書記となった。

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原題:Putin Names Ex-Bodyguard to Top Post, Stoking Successor Talk(抜粋)