Christopher Condon

  • 小売り支出は横ばいから微増、全体的な見通しはやや悲観的
  • 雇用は12地区のうち8地区でわずかなペースで増加

米連邦準備制度理事会(FRB)が29日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済が4月上旬以降に大半の地域で「わずかな、ないし緩慢な」ペースで拡大したと指摘した。個人消費は物価上昇の影響で抑制されたという。

  ベージュブックは「小売り支出は横ばいから微増となった。裁量支出の減少に加え、消費者が一段と価格に敏感になっていることを反映した」と報告。「先行き不透明感が高まり、下振れリスクが高まる中、全体的な見通しはやや悲観的になった」と記した。

  雇用は12地区のうち8地区でわずかなペースで増加し、「雇用はごくわずかに、ないし小幅に増加した」と報告された。いくつかの地区では、賃金の伸びは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準にあるか、あるいはそれに向かっていると報告された。

  物価は「緩慢なペース」で上昇し、さらなる物価上昇が消費に影響を及ぼしていると、調査対象の企業が指摘した。

  今回のベージュブックは、5月20日以前に収集された情報を基にダラス連銀が作成した。この報告書には、12地区連銀それぞれの景況に関する伝聞や論評が含まれている。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を含む金融当局者は次の政策決定について、忍耐強く、インフレが低下し続けていることを示すより多くの証拠を待つ必要があるとここ数週間に繰り返している。

米地区連銀総裁、政策金利をより長く高水準で維持する必要性を指摘

原題:Fed’s Beige Book Points to Modest Growth in US Economy, Prices(抜粋)