東京都の小池百合子知事(71)にとって2期目最後となる都議会定例会が29日開会した。小池氏は冒頭の所信表明で、任期満了に伴う都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に3選を目指して立候補するか明言しなかった。小池氏は既に出馬の意向を固めており、知名度の高い立憲民主党の蓮舫参院議員(56)の出馬表明を受け、世論の動向を踏まえて慎重に表明時期を探るとみられる。
小池氏は所信表明で「都民が希望を持てる都政を展開するとの決意は、一瞬たりとも揺らいだことはない」と強調。デジタル化や少子化対策、脱炭素政策などを進めていくと述べた。
本会議終了後、報道陣に「出馬表明の時期は」と問われると「行政は継続してこそ力なり。8年間を振り返りつつ(2025年に東京で開催される)世界陸上、デフリンピックなどの準備を進めている点についても触れさせていただいた。まずは議会にしっかりと取り組んでいくことが現職の務め」と述べ、3期目への意欲を見せながらも明言は避けた。
小池氏は、28日に都内の52区市町村長や自身が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会、都議会公明党から相次いで出馬要請を受けており、早ければ29日にも3選出馬の意向を明らかにするとみられていた。
都議会定例会は6月12日までで、代表質問は同4日、一般質問は5日に予定される。都民フの都議は出馬表明見送りについて「議会審議に影響を与えないことを考慮したのでは」とみる。公明都議は「表明の時期や方法は知事の考え方次第だ」と理解を示した。
立憲の都議の一人は、小池氏がイメージカラーの緑ではなく、水色の千鳥格子柄のジャケット姿だった点に着目。「議場で見て、今日はしないと思った。知事は風を読むのがうまい。有利な展開にするために所信演説での表明をとりやめたのでは」と推測した。
一方、蓮舫氏は本会議終了直後の都議会議事堂に姿を見せ、支援方針を表明している立憲や共産党の都議団などにあいさつ回りをした。小池氏と接触する場面はなかった。報道陣の取材には「挑戦する思いが湧いてきた」と述べ、小池氏の所信表明に対しては「現職を重ねると各局から上がってきたものを細かくつなぐ原稿を読む傾向がある。熱がないなと思った」と指摘。自身の公約は「もう少しお待ちいただきたい」とした。