Mackenzie Hawkins、Ian King
- 半導体企業へのライセンス発行を安保審査で遅らせていると関係者
- 中東向けAIアクセラレーターの大規模出荷を当局者は注視-関係者
エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などによる中東向け人工知能(AI)アクセラレーターの大規模出荷に対し、米政府当局者はライセンスの発行を遅らせている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。政府当局者らは中東でのAI開発が安全保障面に与える影響を審査している。
この議論が非公開だとして関係者らが匿名で明らかにしたところでは、審査にどのぐらいの時間を要するかは不明。また「大規模」出荷は具体的に定義されていないという。
アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなどがAIデータセンター用半導体を大量に輸入しようとしていることから、当局者は特に大規模な販売を注視していると関係者らは語った。
エヌビディアが他に先駆けて開発したカテゴリーであるAIアクセラレーターはデータセンターがAIチャットボットなどツールの開発に必要な大量の情報の処理を効率化することから、AIインフラ構築を目指す企業や政府にとって不可欠なハードウエアとなっている。
米政府当局者はエヌビディアなどの中東向けAIアクセラレーターの大量出荷に対するライセンス発行を遅らせていると関係者語る
米商務省は昨年10月、中国と他の少数の敵対国を対象としていたチップ輸出規制に中東諸国の多くを追加した。
一部関係者は米政府当局者がここ数週間、この規則に基づいて提出されたライセンス申請に対して、発行を遅らせたり、返答しなかったりしていると語った。関係者の1人によれば、これにはUAEやサウジ、カタールの顧客への販売の申請も含まれているという。エヌビディアとAMDのほか、インテルや新興企業のセレブラス・システムズもアクセラレーター・チップを製造している。4社はいずれもコメントを控えた。
ブルームバーグがライセンス発行の遅れを報じた後、エヌビディアの株価は下落。3.8%安の1105ドルで取引を終えた。AMDは上げ幅を縮小し、1.0%高の166.75ドルで終了。
原題:US Is Slowing AI Chip Exports to Middle East by Nvidia, AMD (2)、US Officials Rein In AI Chip Sales to Middle East by Nvidia, AMD(抜粋)