最初に断っておくが、個人的には小池百合子東京都知事に特別な関心を持っているわけでもなく、内部情報に通じているわけでもない。日々ネットで流れるニュースを眺めながら、日本政界の体たらくを嘆いているだけである。その私がなぜ暴論と称して意味のないことを書く気になったか。ひとえに主要メディアの「出馬表明はいつ」的な立候補を前提とした記事に違和感を感じているからである。小池氏は本当に都知事選に立候補するのだろうか。タイミングを測るように見せかけながら、実は裏でものすごい政界再編構想を描いているのではないか。専門家に言わせれば東京15区の補欠選挙完敗で、「小池氏にはすでにそんな力なはい」と言うだろう。力を失い学歴詐称疑惑再燃の小池氏。仮に都知事選に勝っても、小池氏を取り巻く人生の危機を突破できるわけではない。そんな都知事選に小池氏は魅力を感じるのだろうか。

小池氏の取り柄は何か。日本の未来を切り開く思想家でも革命家でもない。それらを取り仕切る実務家でもない。あるのは世間に流れる風を敏感に感じ取れる感性だろう。言ってみれば壮大なる“風見鶏”なのだ。この能力は危機的状況に追い込まれた自らの立場を、存在感のある政治家に変えてしまう。前回の都知事選挙では「なんでもいい、緑色のものを身につけてください」。この一言でミドリ旋風を巻き起こし、選挙に圧勝した。理念、公約、政策など関係ないのだ。特定のワードやモノ(前回は緑のモノ)を捻り出して有権者の心理に植え付ける。こうすることで、まるで未来が明るくなるようなムードを作り出してしまう。こんなことができる政治は日本にはいない。強いてあげれば小泉純一郎ぐらいか。いま政界が直面する危機、言わずと知れた裏金疑惑であり、政治資金改正法の改正作業だ。

有権者は怒りを持ってこの状況を見守っている。だが小池氏は違う。自らの危機的状況と重ねながら、与野党協議の行方を見守っている。裏で自公合意成立、解散総選挙を仕掛けているのかもしれない。岸田総理が水面下で解散の腹を固めたのを確認して、都知事選不出馬を表明。東京都で次回総選挙から増区される5つの選挙区のどこかから衆院選への立候補を表明する。すごいのはここで自公と敵対する新・日本新党を立ち上げることだ。公約はただ一つ。政治資金改正法の抜本改正。政治献金ならびに政治活動費の完全公開と課税を打ち出す。違反した政治家は政界から永久追放する。これを受けてあっという間に新・日本新党を中心に政界再編が進む。与野党とも自説にこだわっていては選挙に勝てない。小池新党の圧勝である。そしていつの間にか小池氏にまつわる学歴詐称疑惑は雲散霧消する。

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