▽トランプ氏に有罪評決、米大統領経験者で初 不倫口止め料裁判<ロイター日本語版>2024年5月31日午前 9:55 GMT+9

トランプ氏に有罪評決、全34罪状 不倫口止め裁判

[ニューヨーク 30日 ロイター] – トランプ前米大統領が不倫口止め料を不正に会計処理したとされる事件で、ニューヨーク州地裁の陪審員は30日、トランプ氏に有罪の評決を下した。米国の大統領経験者に対する有罪評決は初めてとなる。

陪審は2日間の評議の末、34件の罪状全てで有罪と判断した。

地裁の判事は7月11日に量刑を言い渡すと決定した。その数日後には、11月5日の大統領選に向け共和党全国大会でトランプ氏が党候補に正式に指名される見通し。

トランプ氏は評決後、記者団に「腐敗し矛盾した判事による不正な裁判だ」と強調。「11月5日に国民による本当の判決が下される」と述べた。

トランプ氏には最長4年の禁錮刑が科せられる可能性があるが、同様のケースには通常これより短い禁錮刑あるいは罰金、保護観察が言い渡される。トランプ氏は収監されても選挙活動を続行でき、大統領選に勝利した場合は就任が可能。

大統領選に関する世論調査では、民主党の候補指名が確実なバイデン大統領とトランプ氏の支持率が拮抗している。ロイター/イプソスの調査では、トランプ氏が有罪評決により無党派層や共和党員の一部の支持を失う可能性が示されていた。 もっと見る

トランプ陣営のウェブサイトは同氏を「政治犯」と形容し、支持者らに献金を呼びかけている。

バイデン氏の選挙陣営は評決について、法を超越する存在はいないことが示されたと指摘。「トランプ氏を大統領執務室に入れさせないために唯一残っている方法は投票だ」と訴えた。

ホワイトハウスはコメントを控えた。

共和党のジョンソン下院議長は「米国史において恥ずべき日になった」と述べて有罪評決を批判した。

トランプ氏は2016年の大統領選直前、同氏と性的関係を持ったと主張するポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに口止め料として13万ドルを支払い、帳簿上は「法務費用」と偽って処理した罪に問われ、無罪を主張していた。5週間にわたる審理ではダニエルズさんとトランプ氏の顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏が証言した。

トランプ氏は今回の件以外に、20年大統領選で敗北した結果を覆そうとした罪など3件の事件で起訴されており、全てで無罪を主張している。大統領選前に公判が開かれるのは今回の事件だけになる公算が大きい。

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