By Xinghui Kok、 Fanny Potkin

台湾との平和的統一の見通し悪化、独立「断固阻止」と中国国防相

[シンガポール 2日 ロイター] – 中国の董軍国防相は2日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説した。台湾との平和的な「統一」の見通しは台湾の分離主義者や外国勢力によってますます「侵食」されていると指摘し、台湾の独立を断固阻止する考えを示した。

董氏は、台湾は中国にとって「核心的な問題の核心」だが、台湾の与党・民主進歩党(民進党)が徐々に分離主義を追求し、中国人のアイデンティティーを消し去ろうとしていると指摘。「分離主義者たちは最近、中華民族と祖先に対する裏切りを示す狂信的な発言をした。彼らは歴史の中で恥ずべき存在と見なされるだろう」と語った。

また、外国勢力が「国内問題」に干渉し、「台湾分離主義者を増長させている」と非難した。

中国は台湾との平和的統一にコミットしているが、人民解放軍は「祖国統一を堅持するための強力な力であり続ける」とも発言。「われわれは台湾の独立を阻止するために断固とした行動をとり、そのような企てが決して成功しないようにする。われわれは台湾独立を抑止する能力に自信を持っている」と述べた。

また、米国の台湾への武器売却は中国の「越えてはならない一線」を試すものだと指摘。「武器売却は、台湾独立勢力に非常に間違ったシグナルを送り、彼らを非常に攻撃的にさせる。外国勢力の真の目的は、中国を封じ込めるために台湾を利用することは明らかだ」と述べた。

一方、台湾の対中国政策を主管する大陸委員会は中国側の「挑発的で不合理な」発言に深い遺憾を示し、中国が台湾を統治したことは一度もないとあらためて表明。中国は国際的な場で台湾に対し武力行使をたびたびちらつかせており、それは国連憲章に違反していると訴えた。