- 米ISM製造業が一段と縮小、NY証取で技術的問題、米国株見通し
- メキシコ・ペソが対ドルで4%下落、ハマス壊滅まで恒久的停戦なし
「米国の製造業は頭打ち」。米供給管理協会(ISM)製造業調査委員会の会長が、こうした認識を示しました。このままだと、低迷はしばらく続く見通しだとのことです。米国株は朝方の経済指標を受けて軟調な場面が目立ちました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
新規受注が大幅低下
米国のISM製造業総合景況指数は5月に、前月比0.5ポイント低下の48.7と、3カ月ぶりの低水準。前月の49.2から一段と縮小した。エコノミスト予想は49.5への上昇だった。新規受注が2022年6月以来の大幅な落ち込み。水準も1年ぶりの低さで、経済全般の需要が弱まっていることを示唆した。生産も低下した。仕入れ価格も低下したが、ここ2年ほどで2番目に高い水準にとどまっている。
一部銘柄の売買停止
ニューヨーク証券取引所(NYSE)で技術的問題が発生し、複数の銘柄で売買が停止された。NYSEの発表資料によれば、現地時間3日午前9時45分の少し前から強制的な売買停止措置が講じられた。午前11時ごろに問題が解消し、その後は通常取引が再開された。プライスバンドに関する問題だったとしている。メリディアン・エクイティ・パートナーズのシニアマネジングパートナー、ジョナサン・コーピナ氏は「わずか数銘柄に問題が起きたというのは、非常に混乱を招く」と話した。
不透明感を示唆
米国株の見通しについて、JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーが異なる見方を示している。こうした相違は、米国株の記録的な上昇が今後も続くのかに関して不透明感が強まっていることを示唆する。ミスラフ・マテイカ氏率いるJPモルガンのチームは「米株式相場は夏場に上昇余地が限定的になる」と指摘。一方、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、債券市場が緊張の高まりを示唆しない限り、株式を含む資産価格は短期的に上昇すると予想した。
ペソ大幅安
メキシコ・ペソの下げ幅が拡大し、対ドルで一時4%を超える値下がり。2日投開票された議会選で与党が地滑り的勝利を収め、国家による経済支配が強まると懸念されている。メキシコの代表的株価指数も2008年の金融危機以来の大幅安を記録した。選挙管理当局の速報値によれば、大統領選ではロペスオブラドール大統領率いる左派与党、国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム氏が対立候補に得票率で少なくとも30ポイントの差をつけて勝利した。
あくまでもハマス壊滅を
イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦争について、ハマス壊滅を含め、同国が求める条件が満たされない限り恒久的な停戦はあり得ないとの考えを改めて強調した。首相府によると、ネタニヤフ氏は議会で、人質解放を目的とする戦闘の一時停止には応じる用意があるが、その後の展開については一段の協議が必要だと述べた。バイデン米大統領が5月31日に提示した恒久停戦案については、パッケージの一部に過ぎず、公表されていない詳細があると述べたが、それ以上の具体的な言及は避けた。
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