[パリ 17日 ロイター] – フランス国民議会(下院)選挙に向けた各政党による選挙戦が17日、正式に始まった。足元の情勢では極右の国民連合(RN)が左派連合を抑えて第1党に躍進し、マクロン大統領が率いる与党勢力は3番目の勢力にとどまる見通しだ。
下院選挙は第1回投票日が30日、決選投票日が7月7日の予定。
最近の世論調査によると、RNの予想得票率は33%と前回調査から2ポイント低下したが、RNとの連立に意欲的な保守の共和党の予想得票率を合計すると37%に達する。
左派連合の予想得票率は2ポイント上昇の28%、マクロン氏の与党連合は大きく差を付けられて18%となっている。
マクロン氏の与党連合は、RNもしくは左派連合が勝利すればフランスは金融危機に陥ると再三警鐘を鳴らしており、アタル首相はフランス経済と雇用に壊滅的な事態をもたらすと語った。
ただ左派連合の一角を占める急進左派「不服従のフランス」に属するオタン議員は、既にフランスはマクロン政権によって痛めつけられていると反論し、国民は生活改善の恩恵を受けられないまま公的債務だけが増え続けていると強く批判した。
マクロン氏は16日、側近や閣僚を集めて選挙対策を協議したが、一部閣僚からは下院の解散総選挙という決断をなお疑問視する見方も出ている。
ルメール経済・財務相はラジオ局のインタビューで、解散総選挙は大統領の特権だと認めつつも「国内の至る所で有権者の間から懸念や理解できないとの声、時には怒りが見て取れる」と指摘した。