平壌で会談したロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(19日)
平壌で会談したロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(19日) Photographer: Gavriil Grigorov/Sputnik/AFP/Getty Images

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの西側の軍事支援に対応して、北朝鮮に高精度兵器を提供することも排除できないと語った。

  プーチン氏は20日遅くハノイで行った記者会見で、「世界の他地域に兵器を供給する権利がロシアにはある」と主張。「北朝鮮との合意を踏まえると、それは排除しない」と続けた。

  ロ朝首脳は19日、一方が攻撃を受けた際に他方が速やかに軍事支援を提供する「包括的戦略パートナーシップ条約」に調印。旧ソ連が北朝鮮の最大の後ろ盾だった冷戦時代の合意を復活させた。金正恩朝鮮労働党総書記はロ朝関係を同盟に高めるものだと説明した。

金正恩氏、ロシア大統領を「無条件に」支持-ウクライナ侵攻巡り (1)

  プーチン氏の警告は米国およびその同盟国の神経をとがらせ、緊張を高める公算が大きい。ロシアと北朝鮮の挑発に西側諸国が反応するリスクも強まる。

  先進兵器の提供について質問を受けたプーチン氏は「西側はウクライナに兵器を供給し、『後でどう使われるかは管理できない』などと言う。われわれだって同じことが言える」と語った。

  プーチン氏の発言に先立ち、韓国はロ朝の条約に懸念を表明し、ウクライナなどの国々に殺傷兵器の輸出を禁じている現行方針を見直す考えを示した。同氏は記者団に対し、韓国がウクライナに兵器を提供すれば過ちを犯すことになると警告した。

原題:Putin Says Russia May Send North Korea High-Precision Weapons(抜粋)