[ワシントン 26日 ロイター] – 米商務省が26日発表した5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比11.3%減の61万9000戸と、昨年11月以来の低水準となった。ロイターがまとめた市場予想は64万戸だった。
住宅ローン金利の上昇が需要を圧迫していることが改めて示された。
4月の販売戸数は69万8000戸と、前回発表の63万4000戸から上方改定された。
中古住宅や住宅建設の需要も減少し、住宅市場は軟化している。住宅投資は第1・四半期には2桁成長を記録していた。
オックスフォード・エコノミクスの主任エコノミスト、ナンシー・バンデン・フーテン氏は「住宅ローン金利のさらなる大幅な低下が見られるまで、新築住宅販売のさえない動きが続く可能性がある」と指摘。 米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始すれば住宅ローン金利は7%を下回ると見込まれるため、年内後半には販売が緩やかに上向くと予想している」と述べた。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年固定金利住宅ローン金利の平均は5月初めに6カ月ぶりの高水準まで上昇し、7.22%を記録したが、月末には7.03%に低下した。
5月の販売戸数は前年同月比で16.5%減少した。
新築住宅販売戸数は米国の住宅販売の10%超を占める。契約時に計上されるため住宅市場の先行指標となるが、前月比の増減率は大きく変動しやすい。
前月比の地域別では、北東部が43.8%、西部が4.5%、南部が12.0%、中西部が8.6%それぞれ減少した。
5月の新築住宅価格の中央値は41万7400ドルと前年同月比で0.9%下落した。39万9000ドル以下の価格帯の物件が大部分を占めた。
全米住宅建設業者協会(NAHB)の調査によると、値下げしたと回答した建設業者の割合は6月に過去5カ月間で最大となった。
5月末時点の新築住宅の在庫は48万1000戸、4月は47万4000戸だった。
5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は9.3カ月。4月は8.1カ月だった。
コメリカ・バンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「年内後半の住宅価格上昇は、新築住宅物件の過剰在庫によって抑制される可能性が高い」とし、「これにより住宅購入のハードルが少し下がり、2025年のインフレ抑制にも寄与するだろう」とコメントした。