Alexandre Tanzi
- オンラインとオフラインでの消費行動を追跡、関心と購入意欲を測る
- 消費者行動を分析、リアルタイムで経済状況を把握-トレンドを予測
2億4000万人余りの米国の成人を対象に生成人工知能(AI)を使って収集された消費指標は、6月に消費への消極性が高まったことを示唆した。
マーケティング・オートメーション・ソフトウエアのゼータ・グローバル・ホールディングス・コーポレーションは1日、ゼータ経済指数の公表を開始した。この指数はオンラインとオフラインでの行動を追跡し、自動車や飲食、金融サービス、ヘルスケア、旅行などの分野における関心と購入意欲を測る。
コンピューター言語モデルを用いて消費者行動を分析、リアルタイムで経済状況を把握し、トレンドの予測を目的としている。この指数は2つの要素で構成されている。経済の健全性に関するスコアと、消費者が不況にどれだけ耐えられるかの尺度だ。
ゼータ・グローバルの共同設立者、デービッド・A・スタインバーグ最高経営責任者(CEO)はインタビューで「実際の消費動向と、消費前の調査状況を調べ、情報すべてをアルゴリズムに取り込み、他の通常のデータポイントの上に重ね、より優れた予測を導き出すことができる」と話した。
スタインバーグ氏によれば、この指数は620万もの出版社サイトからのデータなどに基づいており、景気はまだ順調に推移しているにもかかわらず、先月はより慎重な消費へとシフトしていることを示した。
この結果は政府の最新データが示すさまざまなシグナルと一致しているようだ。今年に入り、経済の一部が勢いを失っている一方、インフレ調整後の消費は4月に減少した後、5月には回復した。
ゼータ・グローバルの指数は、ヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE)企業、資産運用会社、政策立案者が経済状況を判断する際に利用できる新たな代替データだ。これらのデータは政府統計よりもタイムリーであることが多く、AI技術の進歩は消費者行動や経済活動を判断する新たな方法を提供している。
ゼータ・グローバルはこの指数を毎月発表する予定で、数年分の過去データがある。
原題:AI-Powered Consumer Gauge Detects Reluctance to Spend in June(抜粋)