- 仏極右勢力は過半数に及ばない見通し、後手に回らぬよう利下げ
- 英資産に注目、イスラエルが停戦案検討、EUが中国EVに追加関税
7日のフランス下院選・決選投票では、極右勢力の議席数が絶対多数には届かない見通しとなりました。世界が行方を注視する中、そもそも今回の解散・総選挙を発表したマクロン大統領はここ5日間は表舞台から姿を消しています。支持率低迷を背景に、側近らは目立たないよう助言しているようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
絶対多数届かず
マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる仏極右政党、国民連合(RN)などの極右勢力は、7日の国民議会(下院)選挙で絶対多数に大きく届かない見通しだ。世論調査によると、定数577のうち極右勢力は210-250議席となる勢い。法案を容易に可決する絶対多数は289議席。マクロン大統領の中道グループと左派連合の新人民戦線などは今週、200を超える候補者を決選投票から撤退させて反極右票の分裂回避に動いており、戦略が功を奏しつつある様子を示している。
後手に回る恐れ
欧州中央銀行(ECB)当局者らは先月の利下げ決定時に、長期的なインフレに対する懸念に目をつぶった。インフレについて完全な見通しが立つのを待っていれば、後手に回ると考えた。議事要旨によると、当局者らはエネルギーと食料品の価格上昇率が2026年には長期平均を下回るという見込みは極めて不確実だと見なした。「入手可能な情報が望ましいほどの完全なものではなかったとしても、ある時点でそれに基づいて判断する必要があった」と説明した。
「退屈な」政治が吉
英国の有権者が総選挙の投票に向かう中、資産運用担当者や銀行のストラテジストは選挙後の政治的な安定を期待し、英国市場を選好している。米シティグループやカナダのトロント・ドミニオン(TD)銀行は、他の国債市場よりも比較的安全だとして英国債の買いを奨励する。バンク・オブ・アメリカ(BofA)が6月に実施したファンドマネジャー対象の調査では、株式投資家が最も選好する欧州の市場に英国が選ばれた。また先月のポンドは対ユーロでの平均相場が約2年ぶりの高水準だった。
新たな停戦案
イスラエルは、イスラム組織ハマスの新たな停戦案を検討している。一方、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラがイスラエルに対し強烈なミサイル攻撃を仕掛け、レバノン国境地帯での戦闘がエスカレートしている。イスラエル首相府はハマスから新たな提案を受け取ったことを確認。この提案を巡りネタニヤフ首相は安全保障担当閣僚や交渉チームと会議を開く。9カ月続くイスラエルとハマスの戦争が停戦に至るかもしれないという、久しぶりに表れた明るい兆しだ。
中国EVに追加関税
欧州連合(EU)は中国製の電気自動車(EV)に追加関税を暫定的に賦課する計画を進める。暫定税率は5日に発効。最高48%にもなり、中国との貿易摩擦が高まる公算が大きい。これに取って代わる解決策を双方が見いだすか、人口を考慮した特定多数決で加盟国が阻止しない限り、最終的な関税が11月までに導入される。独キール世界経済研究所(IfW)によると、この関税で中国からのEV輸入は25%減る可能性が高い。
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