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  • プーチン氏、トランプ氏の提案内容は把握していないと説明
  • ロシア、トランプ氏の戦争終結案を支持する用意-プーチン氏

ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナでの戦争を早期に終結させるための提案があるとするトランプ前米大統領の発言について、真剣に受け止めていると述べた。

  上海協力機構(SCO)首脳会議出席のため訪れているカザフスタンの首都アスタナで開いた記者会見で、「トランプ氏がどのように終わらせるつもりなのか、提案の内容についてはよく知らない。もちろん、それが重要な問題だ」と指摘。「しかし、トランプ氏が心からそう言っていることは間違いなく、われわれはそれを支持するだろう」と述べた。

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会見するプーチン大統領Photographer: Sergei Savostyanov/AFP/Getty Images

  これに先立つ3日、ゼレンスキー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、返り咲きを狙うトランプ前大統領に対し、ロシアとの戦争を速やかに終わらせる同氏の計画を明らかにするよう求めた。また、いかなる提案もウクライナの主権を侵害するものであってはならないとくぎを刺していた。

トランプ氏は戦争終結計画あるなら今説明を、ゼレンスキー氏要求 (1)

  プーチン氏は記者団に対し、先週の米大統領選テレビ討論会の一部を見たと語ったが、それについてのコメントは避けた。討論会での精彩を欠くパフォーマンスを受けて、バイデン大統領に対しては選挙戦から撤退するよう圧力が高まっている。

  トランプ氏はこれまで、3年目に突入したウクライナ紛争をどのように終結させる考えなのか明らかにしていない。ニュースサイトのポリティコは今週、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナやジョージアを含め、これ以上東方へ拡大しないと確約することでロシアと合意する案をトランプ氏が検討していると報じた。

  プーチン氏は会見で、ロシアが要求する「不可逆的な」措置をウクライナが講じることに同意しない限り、ロシアが戦闘停止を宣言することはないと説明。「そのような合意に達することなく停戦することは不可能だ」と述べた。ただ、不可逆的な措置に関する詳細には踏み込まなかった。

  プーチン氏はまた、米大統領選が終わるまで米国との戦略的安定に関する協議は再開しないとも発言。ロシアはまず「米新政権の雰囲気と好みを理解する」必要があるとした。

原題:Putin Says Trump ‘Sincerely’ Wants to End The War in Ukraine (1)(抜粋)