• 米金融当局者発言、ベージュブック、選挙戦撤退要求
  • 6月の米経済指標、英労働党政権の改革方針
Fed’s Cook Says Rate Cut Needed At Some Point But Timing Unclear
Photographer: Ting Shen/Bloomberg

米金融当局者の発言に続き、午後に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)でもインフレの落ち着きへの言及がありました。利下げが一段と意識される中、10年債利回りは一時4.14%と、3月中旬以来の低水準を付けました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

近づきつつ

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、経済は利下げが可能になる地点に近づきつつあるとの認識を示した。ただインフレが持続的な低下軌道にあることを示す「証左をもう少し」確認したいと示唆した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、過去数カ月のインフレデータは心強い内容だが、利下げ決定に必要な確信を得るために向こう数カ月でより多くの証拠を確認したいとの認識を示した。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、最近のディスインフレの広がりは心強いがとしながらも、それが持続する証左を「まだなお探している」と述べた。

物価は緩慢な伸び

ベージュブックは米経済が7-9月(第3四半期)に向けてわずかなペースで拡大したと指摘した。ただ活動の横ばいや低下を報告した地区も一部で見られた。雇用もわずかな伸びにとどまった。経済活動について横ばい、ないし低下と報告したのが5地区あり、前回報告から3地区増えた。賃金は大半の地区で緩慢ないし緩やかなペースで増加。一方で物価は総じて緩慢な伸びとなった。個人消費はほぼ変わらず、あるいは横ばい。

反旗

米民主党のアダム・シフ下院議員(カリフォルニア州)は、再選を目指すバイデン大統領に対して選挙戦から撤退するよう求めた。トランプ前大統領暗殺未遂事件の発生後、バイデン氏に反旗を翻した民主党議員は同氏が初めて。民主党は、バイデン氏を党の大統領候補として正式に指名するためのオンライン形式によるロールコール(州ごとの票数読み上げ)を、少なくとも8月に入るまでは実施しない見通しだ。

6月の米統計

6月の米住宅着工件数は、集合住宅が堅調だったのを受けて増加した。ただ、一戸建ては8カ月ぶりの低水準に落ち込み、不動産市場が引き続き高金利の逆風にさらされているのを浮き彫りにした。同月の鉱工業生産指数は2カ月連続で堅調な伸びを記録し、2カ月の伸びとしては2021年終盤以来の大きさとなった。製造業の生産指数が上昇し、製造業活動が再び堅調になりつつあることを示唆した。

改革方針

スターマー英首相は労働党政権が成立を目指す法案を複数打ち出し、数十年ぶりの野心的な改革方針を示した。経済成長を促進する上で国の立て直しは譲れない一部だと述べた。チャールズ国王がこの日読み上げた首相の施政方針演説によれば、再生可能エネルギーや住宅建設、労働者の権利、鉄道、人工知能(AI)、サイバーセキュリティーなどの分野から39の法案が掲げられた。保守党の前政権から大胆な変化を図ったとみられる。

その他の注目ニュース

米エミー賞、「SHOGUN 将軍」25部門で候補-ディズニーの強さ際立つ

中国がAIモデルを強制審査、「社会主義の価値観体現」を確認-FT

「我慢の限界」に達したマスク氏、右に急カーブ切り政治の賭けに参戦