- 「積極的な内需拡大」への取り組みも約束-コミュニケ
- 成長の量を促進する拡張的な政策は示唆されず-みずほ銀行
中国共産党の習近平総書記(国家主席)は18日、「質の高い発展」を中国経済のけん引力にすると誓い、国内の景気減速や米国との貿易摩擦に直面する中国を前進させる長期ビジョンを打ち出した。
共産党は第20期中央委員会第3回総会(3中総会)の閉幕を伝えるコミュニケで、成長の新たな勢いを生み出すため供給サイドの改革を深化させると表明。年間成長率5%前後などを含む今年の経済発展目標を達成する決意を再確認した。
「質の高い発展は現代的な社会主義国家を建設するトップの任務」と国営新華社通信は報道。中国語で「高質量発展」とされている質の高い発展という曖昧なスローガンは、米国の対中貿易規制に対抗できる高度なテクノロジー主導の社会を築きたいという習氏の願望を示すため一般的に用いられる。
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基本的に5年に一度開催される3中総会は北京で15日に開幕。みずほ銀行のアジアFX担当チーフストラテジスト、張建泰氏は質の高い成長が強調されたが、「成長の量を促進する拡張的な政策」は示唆されなかったと指摘。「住宅市場を安定させる驚くような施策はなく、不動産市場リスクの防止と解決という課題に触れられた」と語った。
共産党は通常、3中総会の閉幕から数日を経て詳細な報告書を発表する。3中総会に基づく具体的な政策は、党中央政治局が月内に開く会議で協議される公算が大きい。
コミュニケでは、当局が中国経済の原動力となる高度な製造業を引き続き重視していることが示唆されたが、エコノミストたちがより注意を払う必要があると主張している「積極的な内需拡大」への取り組みも約束された。ただ、そうした目標に向けた具体策は示されなかった。
習指導部は2013年の3中総会で、「一人っ子政策」の緩和を決めた。18年は人事中心の異例な3中総会だった。
今回の3中総会では以下の決定もなされた。
- 内需を積極的に拡大する
- 科学技術の改革を進める
- 対外貿易の新たな原動力を加速させる
- 不動産セクターのリスクを予防・解決する
- 金融・税制改革の深化
- マクロ経済政策調整の改善
- より公正でダイナミックな市場環境の整備
- 国家安全メカニズムの改善
- 医療・ヘルスケア制度の改革を進める
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