Christopher Condon
- ドル高の影響評価する際はより広い文脈の中で考察する必要
- 米製造業の雇用減少は貿易よりも生産性向上の影響が大きい
トランプ前米大統領は強いドルが米製造業者に打撃を与えているとの見解だが、イエレン財務長官はそう単純なものではないとみている。
イエレン長官はブルームバーグ・ニュースが26日に行ったインタビューで、ドル高の影響を評価する際はより広い文脈の中で考察する必要があると指摘。米製造業の雇用に国際貿易が及ぼしている影響はそれほど大きくないとの考えを示した。
イエレン氏は「非常に強いドルは輸出にマイナス、輸入にはプラスとなり得る」とした上で、「しかし、そこにはもっとずっと多くの要素がある。なぜドルが強いのかを問わなければならない」と述べた。
イエレン長官は先週、米経済の強さが外資を呼び込み、ドルの価値を高めているとの認識を示した。
トランプ氏は先にブルームバーグ・ビジネスウィークとのインタビューで、「われわれは通貨に関して大きな問題を抱えている」とし、「米国製品は高過ぎるから誰も買いたがらない」と述べた。
イエレン長官はまた、米製造業の雇用は数十年にわたって減少し続けているが、国内総生産(GDP)に占める製造業の割合は比較的安定していると指摘。製造業の雇用減は貿易よりも生産性向上の影響が大きいとの見解を示した。
原題:Yellen Rebuffs Trump Argument on Dollar Hurting US Manufacturing(抜粋)