▽パウエル議長、利下げは「9月のFOMC」で選択肢になる可能性も<bloomberg日本語版>2024年8月1日 3:05 JST
Amara Omeokwe
- FF金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%、8会合連続で据え置き
- 「2大責務の両面のリスクに留意する」-FOMC声明
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、9月にも利下げに動く可能性があるとの見解を示した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、7月30-31両日に開催した定例会合で、主要政策金利を約20年ぶり高水準で据え置くことを決定した。据え置きは8会合連続。
パウエル議長は会合後の記者会見で「問題となるのは、データの全体像や変化する見通し、リスクバランスがインフレに対する確信の強まり、そして堅調な労働市場の維持と整合するかどうかだ」と指摘。「そのテストが満たされれば、早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る」と述べた。
ただ0.5ポイントの利下げ見通しに関する質問には、「現時点で考えているものではない」と回答した。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。据え置きの決定は全会一致だった。
FOMCは声明の文言に複数の修正を加えた。これまでの声明はインフレリスクにのみ焦点を合わせていたが、今回は「2大責務の両面のリスクに留意する」との文言に変更された。
FOMC声明:2つの責務、両サイドに対するリスクに注意払っている
声明では「ここ数カ月、委員会が目指す2%のインフレ目標に向けて一定のさらなる進展が見られた」とし、「雇用とインフレの目標達成に対するリスクは引き続き、より良いバランスへ移行していると委員会は判断している」とした。
当局者らはまた労働市場に対する判断を引き下げ、「雇用の伸びは緩やかになり、失業率は上昇したが低いままだ」と指摘。インフレについては、「この1年で緩和したが、依然として幾分高い水準にある」と記した。
一方、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの「確信を強める」まで、政策金利の引き下げは適切ではないとの文言は維持した。
会見でパウエル議長は「経済の展開の仕方次第」で、年内の利下げが「ゼロにも複数回にもなるというシナリオは想像し得る」と説明。
また「今回の会合で動くとすればどのような論拠があるのかについて、行きつ戻りつの真剣な議論があった」とも述べ、「今会合では動かないことを大多数が支持した」と付け加えた。
FOMCはここ2年余りにわたって、2大責務のうち物価の安定に特段の重点を置いてきたが、このところは最大限の雇用を達成する責務を強調する傾向を強めている。この2つの責務を達成する上でのリスクは、よりバランスが取れてきていると当局者らは考えるようになった。
パウエル議長はこの日の会見で、このテーマを強調。労働市場が冷え込むにつれてインフレが予想外に加速するリスクは低下したが、労働市場の下振れリスクは「現在、現実のものとなっている」と述べた。
原題:Powell Says Fed Could Cut Rates ‘As Soon As’ September Meeting(抜粋)
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