Alexandre Tanzi

米国で4カ月以内に失業する可能性が高いと考える労働者の比率が上昇。ニューヨーク連銀が2014年に消費者意識調査を始めて以来の高水準を記録した。

  一方で向こう数カ月に雇用のオファーを受けると期待する消費者の数は、1年前から増加した。調査からは労働市場での人材入れ替わりが活発になっていることと、賃金・待遇を不満に思う労働者の増加、高額報酬への期待が維持されていることがうかがわれる。

  ニューヨーク連銀は約1000人を対象に雇用状況とその見通しについて4カ月ごとに調査を行っている。7月の米雇用統計で失業率の上昇が示されて以来、エコノミストや政策当局者らは従来の想定を超える労働市場悪化の兆しを警戒している。

  7月調査では4カ月以内の失職を予想する回答者の比率が4.4%と、調査開始以来の最高を記録。しかし転職を予想する回答者の比率は、それを上回る11.6%に上昇した。

  調査報告は離職率の上昇を浮き彫りにした。異なる雇用主への転職率は7.1%と、調査開始以来の高水準。一方で4カ月前と同じ雇用主の下で職を維持している労働者の比率は、過去最低の88%だった。

  現在の職に満足せず、他の機会を探している労働者は増えている。女性や大卒未満の学歴を持つ労働者、年間所得が6万ドル(約880万円)未満の世帯を中心に、昇進の機会は悪化している。

原題:Expectation of Losing One’s Job at Record High in NY Fed Survey(抜粋)