▽自民党総裁選 24日の動き 石破元幹事長が立候補表明<NHK>2024年8月24日 20時27分
岸田総理大臣の後任を選ぶ自民党の総裁選挙は、24日午前、石破茂元幹事長が立候補することを表明しました。
週明け以降も複数の議員が表明する予定で、候補者は過去最多となる可能性を指摘する声も出るなど、混戦の様相が強まっています。
総裁選挙をめぐる24日の動きや発言です。
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石破元幹事長 地元の神社で立候補表明
石破元幹事長は24日午前、自身の地元・鳥取県八頭町の神社で支援者を前に演説しました。
この中で石破氏は「自民党総裁選挙に立候補する。38年間の政治生活の集大成として、これを最後の戦いとして原点に戻り、全身全霊で支持を求めていく」と述べ、総裁選挙に立候補することを表明しました。
その上で「党よりも国民一人一人を見るのが私の政治生活の原点だ。子どものころ、ここで夏祭りがあり本当ににぎやかだった。日本は今ほど豊かではなかったが、若い人も、子どもたちも、高齢者も皆、笑顔だった。もう一度にぎやかで皆が笑顔で暮らせる日本を取り戻していく」と述べ、地方の再生に全力を挙げる考えを強調しました。
また、党の政治とカネの問題をめぐり「ルールを守り、政治のためのカネが必要なら、集め方は節度を持たなければならない。改正された政治資金規正法を守るのは当然で、さらに透明性を深めるための努力を最大限に行う」と述べ、政治改革に取り組む考えを示しました。
小林氏 能登の被災地を訪問
総裁選挙への立候補を表明した小林鷹之氏は能登半島地震の被災地を訪れ、石川県珠洲市では仮設住宅や倒壊したままになっている住宅の様子などを視察しました。また、地震で海底が隆起した輪島市の漁港では、漁協の担当者から復旧工事の状況について説明を受けました。
このあと小林氏は記者団に対し「被災しても、ふるさとに残って立て直していくんだという強い思いを感じた。感じたことをしっかりと政策に落としていきたい」と述べました。
一方、石破元幹事長が総裁選挙への立候補を表明したことについては「石破氏は私が初当選した時の幹事長で大先輩だ。胸を借りるつもりで挑戦したい」と述べました。
河野デジタル相「経験を生かして国をリードしていきたい」
総裁選挙への立候補を26日表明する河野デジタル大臣は24日朝、地元の神奈川県平塚市で、大相撲の高砂部屋の力士たちが夏の合宿で稽古を行う様子を見学しました。
河野氏はちゃんこ鍋を試食したり、力士たちと一緒にスマートフォンで写真を撮ったりしていました。
このあと河野氏は記者団に対し「世界的に混迷を深めており、有事と言ってもいい時期だ。私の経験をしっかり生かして国をリードしていきたい」と決意を述べました。
また、前回3年前の総裁選挙で行動を共にした、石破元幹事長と小泉進次郎氏が今回それぞれ立候補を表明することについて、「3人がそれぞれで頑張っていく。総裁選挙が終われば自民党としてみんな一つになるのでご心配なく」と述べました。
夕方には、日本を訪れているアフリカの3か国の閣僚と国会内で相次いで会談しました。
会談は通訳を介さずに英語で行われ、デジタル分野での関係強化などについて協議しました。
このあと河野大臣は記者団に対し「今までと違い、世界の形の話をしなければならない最初の総裁選挙だ。外務大臣、防衛大臣の経験を生かし、世界の中で日本が何をしなければならないのか、日本がどういう世界を作っていこうと思ってるのか、しっかり議論をしていきたい」と述べました。
小泉氏 浴衣姿で祭りに参加
小泉進次郎氏は24日夕方、地元の神奈川県横須賀市の神社を訪れ、浴衣姿で祭りに参加しました。
参拝しておはらいを受けたあと、境内に集まった人たちと握手を交わしたり、記念撮影に応じたりしていました。
また子どもたちに、「お祭り楽しんでね。暑いから水分をとってね」と声をかけていました。
茂木幹事長「近々決断したい」
茂木幹事長は沖縄県宜野湾市で講演し、「地元の栃木県からも全国の多くの地域からも『茂木さん頑張れ』という声をいただいている。国会の仲間からも、『総理大臣として課題解決の先頭で頑張ってほしい』という大きな期待の声をいただいている。どう期待に応えられるか近々決断したい」と述べました。
その上で「5年後の日本、10年後の沖縄のビジョンを掲げるだけでなく、仲間の力、チームの力で実行していくことが大切だ。それがあすに希望が持て、どんな世代でも楽しく安心して暮らせる日本につながっていくという思いで、さまざまな改革を進めていきたい」と述べました。
上川外相「いよいよ着地の姿が見えてきた」
総裁選挙への立候補に意欲を示している上川外務大臣は24日、東京都内で開幕するTICAD=アフリカ開発会議の閣僚会合の共同議長を務めるとともに、10か国余りの外相らと会談することにしています。
開幕に先立って会場のホテルで記者団の取材に応じ「TICADの枠組みをさらに伸ばしていくために、全力で取り組んでいきたい」と述べました。
一方、総裁選挙の立候補に向けた推薦人確保の状況については「いよいよ着地の姿が見えてきたという印象だ。思いを一人一人に伝え、改革のチームに入っていただくよう動いているところだ」と述べました。
その上で「立候補の表明時期は決まっていないが、いずれそういう場面が来るかと思う」と述べました。
野田氏「出馬の意欲は毎日持っている」
自民党の野田聖子氏は地元・岐阜市で講演し「出馬の意欲は毎日持っている。常にそういう気持ちで、緊張感を持って国会議員という仕事をしていかなければならない。『女性が幸せになることがこの国を豊かにする』ということを、しっかりと形に残すための総裁選挙だ」と述べました。
一方、24日の会合では岐阜選挙区選出の渡辺猛之・参議院議員があいさつで「野田氏の推薦人集めに飛び回っているが『推薦人はちょっと』という返事ばかり返ってくる」と発言し、野田氏が「ちょっとしゃべりすぎだ」とくぎを刺す場面もありました。
林官房長官 来週にも立候補表明したい考え
林官房長官は、来週にも立候補を表明したい考えで、台風10号の状況を踏まえ判断することにしています。
高市経済安保相 表明する時期 探る
高市経済安全保障担当大臣は、近い議員が「推薦人の確保にめどがついた」としていて、表明する時期を探っています。
岸田首相 “党が生まれ変わる姿 国民に示す場に”
岸田総理大臣は、みずからの後任を選ぶ総裁選挙について、各候補による有意義な論戦を通じて、党が生まれ変わる姿を国民に示す場になることへの期待を示しました。
自民党は、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、党幹部が各地で党員らの声を聴く「政治刷新 車座対話」を続けていて、岸田総理大臣は24日、福島県内での対話に出席しました。
この中で岸田総理大臣は、一連の問題を受けた信頼回復への取り組みに触れた上で、トップみずからがけじめをつける観点から、総裁選挙に立候補しない決断をしたことを改めて説明しました。
そのうえで「総裁選挙にどんどん立候補してもらい、有意義な論戦を展開してもらいたい。『自民党は生まれ変わる』という姿を、総裁選挙を通じて各候補者に示してもらいたいと思っている」と述べました。
また「もちろん、政治の信頼回復、政治改革はまだ道半ばだ。私自身も党総裁在任中の最後の一日までしっかり努力をしていきたいと思うし、その後は一兵卒として責任を果たしていきたい」と述べました。