Jonathan Randles

ニューヨーク市のエンパイア・ステート・ビルディング近くにそびえ立つ高級高層コンドミニアム。一部のユニットが連邦破産法第11条の適用下で売りに出される。

  26日に破産法適用を申請したデベロッパー、マディソン33オーナーによれば、マディソン街172番地に立地する高層ビルのうち破産法下で売り出される住居分はペントハウス(最上階)5戸を含む10戸と、商業ユニットの2件。一部はまだ完成していないという。

  ペントハウスを完成させて「最適価格で売るには」約1350万ドル(約19億4000万円)がかかると、マディソン33は説明。完成後の適正市場価格は1億600万ドル以上だという。

  破産法弁護士のジョナサン・パスターナク氏によれば、同社は「破産法に基づく事業再編計画を通じ、残る戸数の売却もしくは借り換えを目指し積極的なマーケティング戦略」を開始した。これら以外のユニットはすでに売却済みだという。

  同社はプライベートエクイティー(PE、未公開株)会社ARC・PEの関連会社と法的係争中。マディソン33がこのビルの取得と開発で借り入れた資金について、ARCはマディソン33による債務不履行を主張している。マディソン33が破産法の適用を申請したため、この係争は即座に中断される。

  この数年間に11条適用を申請した著名物件は、ほかにも複数ある。ロサンゼルスの超大型豪邸「ザ・ワン」は2022年に1億4100万ドル(約200億円)で買い手がついた。昨年には天然ガス業界の富豪シャリフ・スーキ氏が金融機関との係争中、コロラド州の広大な農場について破産法の適用を申請した。

原題:Madison Avenue Condos Near Empire State Building Hit Chapter 11(抜粋)