伊藤純夫

全国の物価の先行指標となる8月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前月から伸びが拡大した。日本銀行が目標とする2%台を上回るのは3カ月連続。総務省が30日に発表した。

  コアCPIは前年同月比で2.4%上昇した。市場予想の2.2%上昇を上回った。政府からの補助金が終了したことにより、電気代とガス代などのエネルギーのプラス幅が拡大した。

  生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは1.6%上昇と前月の1.5%上昇から伸びが拡大した。市場予想は1.4%上昇だった。

  日銀の植田和男総裁は、経済・物価見通しが実現する確度が高まっていけば、利上げを続けていく姿勢を示している。7月末の日銀の利上げと植田総裁のタカ派姿勢、米経済の後退懸念を受けて、金融市場は一時、急速に不安定化した。市場変動の経済・物価への影響が懸念されるが、今回の結果は追加利上げ観測をサポートする内容といえそうだ。

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