Annie Massa

  • 2024年の資産規模は5.5兆ドル、30年までに73%増へ-デロイト調査
  • ファミリーオフィスの役割も拡大、物言う株主になるケースも

世界の超富裕層が保有する資産は2030年までに9兆5000億ドル(約1370兆円)に膨れ上がる可能性が高いことが、コンサルティング会社デロイトの推計で示された。超富裕層の資産を管理するファミリオーオフィスはヘッジファンドに匹敵するまでに発展すると見込まれている。

  デロイトのリポートによれば、ファミリーオフィスの担当者が管理する資産は現在5兆5000億ドル30年にはこの資産規模が73%増加することになる。富裕層向け投資会社の数も同年までに約3割増えて1万720社になる見通しだ。

  大規模なファミリーオフィスは市場での新たな役割を見いだし、アクティビスト(物言う投資家)として経営陣を追い出し、変革を促すケースもある。

  同報告書での調査対象となったファミリーオフィスは、平均15人の従業員で20億ドルの資産を扱っている。家族以外の第三者によってオフィスが運営されているのは3分の1程度だった。

  デロイト・プライベートでインサイト世界責任者レベッカ・グーチ氏は「これだけの富を管理するのは、間違いなくリスキーだ」と指摘、「ファミリーオフィスは誰を迎えるかについては本当に注意する必要がある」と続けた。

原題:Ultra-Rich Families to Hold $9.5 Trillion by 2030, Deloitte Says(抜粋)