- アップル新製品、ラピダスが出資要請、HSBCが部門統合を検討
- EUは巨額投資が必要とドラギ氏、米消費者は債務返済に不安
マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
注目の新製品
アップルが「iPhone16」を発表。人工知能(AI)の利点活用に重点を置いて設計されていると、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は述べた。スマートウオッチ「Apple Watch」の新製品も披露。「Series 10」ではディスプレーサイズが大きくなったほか、睡眠時無呼吸症候群の検知機能を搭載する。またワイヤレスイヤホン「AirPods」を補聴器として利用できるようになるソフトウエアも明らかにした。
総額200億円
次世代半導体の量産を目指すラピダスはトヨタ自動車やソフトバンクなど既存株主の他に、2メガバンクや日本政策投資銀行に総額200億円の出資を要請している。事情に詳しい関係者が明らかにした。ラピダスはみずほ銀行と三井住友銀行の2行に50億円ずつ、政投銀に100億円の出資を要請しており、事業会社にも新規出資を打診しているという。ラピダスは2027年に2ナノ(ナノは10億分の1)ロジック半導体を量産する計画を表明しており、5兆円程度の投資が必要と見込まれている。
部門統合を検討
英銀HSBCは商業銀行部門と投資銀行部門の統合を検討していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。ジョルジュ・エレデリー新最高経営責任者(CEO)が推進する取り組みの一環。世界中の中央銀行が金利引き下げを開始し、大手金融機関の利ざやを脅かす動きがある中、HSBCは経費の抑制を検討してきた。エレデリー氏は同業のシティグループやスタンダードチャータードなどと同様、中間管理職層を取り除く計画も検討しているという。
存続の危機
ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁は欧州連合(EU)に、競争力強化のために最大で年8000億ユーロ(約127兆円)の追加投資を行い、中国や米国に対抗するため共同債の定期発行に取り組むよう呼び掛けた。EUの競争力に関する報告書の中でドラギ氏は、先端技術の開発、気候変動目標の達成に向けた計画の策定、重要原材料の防衛と安全保障の強化をEUに求め、これらを「存続に関わる課題」と位置付けた。欧州が競争力を維持できるように経済を変革するためには、域内総生産(GDP)の約5%に相当する投資拡大が必要だとしている。
債務返済に不安
米消費者のインフレ期待はここ数カ月、短長期ともに安定しているが、債務返済を巡り不安が高まっている。ニューヨーク連銀が発表した調査結果によると、消費者の1年先のインフレ期待は8月に3%と、前月の2.97%からわずかに上昇。5年先のインフレ期待は前月とほぼ同じ2.8%だった。一方、返済遅延見通しは3カ月連続で上昇し、2020年4月以来の高水準となった。
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