Eyk Henning、Michael Msika、Swetha Gopinath
- バークレイズとBofA、ウニクレディト向けにデリバティブを用意
- ドイツ首相、「適切な行動ではない」と反対
イタリアの銀行、ウニクレディトは、英銀バークレイズとバンク・オブ・アメリカ(BofA)の手助けを得て、以前から周到に独コメルツ銀行の株式追加取得を準備していた。欧州金融界を揺るがした今回の動きに対し、ドイツ政府は強く反発している。
非公開情報を話しているとして匿名を条件に応じた事情に詳しい関係者によると、ドイツ政府は今月に入りコメルツ銀の持ち株を一部手放したが、バークレイズはその数週間前にウニクレディト向けにコメルツ銀行株に絡むデリバティブ(金融派生商品)をアレンジした。ウニクレディトはその後、バークレイズとBofAの支援を得て、コメルツ銀の持ち株比率を事実上、現在の約21%程度まで引き上げたという。
バークレイズ、BofA、ウニクレディトの担当者はコメントを避けた。
ウニクレディトは約2週間前にドイツ政府が売却したコメルツ銀の4.5%株を全て買い上げた。この時既にウニクレディトは、デリバティブを含む公開市場での取引を通じてコメルツ銀行株4.5%を保有していた。23日発表した声明でウニクレディトは、コメルツ銀の持ち株を21%に引き上げるために金融取引を活用したことを明らかにした。
ドイツ政府はこのアプローチに対して、反対の立場を明確にしている。シュルツ首相は23日、「これは適切な行動ではない」と述べた。
ウニクレディトは声明で、「デリバティブ取引の現物決済」が行われれば、コメルツ銀株を正式に追加取得し、同行の筆頭株主となるが「必要な承認が得られない限り、その決済は行われない可能性がある」と説明した。ウニクレディトは持ち株比率を最大で29.9%まで引き上げることについて欧州中央銀行(ECB)の承認を求めている。
原題:Barclays, Bank of America Helped Orcel Buy Commerzbank Stake (1)(抜粋)