[ワシントン 28日 ロイター] – 米大統領選の共和党候補であるトランプ前大統領は28日、激戦が予想されるウィスコンシン州で演説し、不法移民を激しく非難した。また、民主党候補のハリス副大統領を「精神障害者」「知的障害者」と呼び、個人攻撃をエスカレートさせた。
トランプ氏には珍しく、演説のほとんどを不法移民に費やし、凶悪犯罪を犯した移民を「モンスター」「冷徹な殺人者」などと呼んだ。
演説するトランプ氏の背後には「移民犯罪をなくせ」、「不法入国者を即刻国外退去させろ」といったスローガンが書かれていた。
ハリス陣営の広報担当者は、トランプ氏の演説後、「彼が米国民に提供するのはただの暗闇だ」と述べた。
移民問題は有権者の最重要課題である。
演説が行われたウィスコンシン州のプレーリー・デュ・チエンでは、不法滞在していたベネズエラ人が9月、女性に性的暴行を加え、その娘を襲ったとして拘束された。
トランプ氏はバイデン政権が不法移民を入国させたと非難。一部の移民が米国人のレイプ、略奪、殺害を望んでいると述べた。
トランプ氏は、不法移民のマイナスイメージを印象付けるため、若い女性がヒスパニック系に殺害されたとする事件をよく取り上げ、男性が被害者の事件に触れていない。
一般的な研究では、移民が米国生まれの米国人よりも高い割合で犯罪を犯しているという証拠はないとされており、トランプ氏の主張は人種差別を助長するものだと批判されている。
ハリス氏は27日、党候補指名後初めてメキシコとの国境地帯を視察し、不法移民の取り締まり厳格化を訴えた。また、トランプ氏が移民問題を巡り「恐怖と分裂の炎をあおっている」と非難した。 もっと見る
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▽ハリス氏、南部国境地域を訪問 不法移民の取り締まり強化訴え<ロイター日本語版>2024年9月28日午後 2:03 GMT+9