[ワシントン 1日 ロイター] – 米労働省が1日発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が32万9000件増の804万件だった。2カ月連続で減少した後に予想外に増加したものの、雇用は軟調で労働市場の減速が示され、11月に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測に変わりはないとみられる。
エコノミスト予想は766万件だった。
7月の求人件数は771万1000件と、767万3000件から上方改定された。
8月の採用件数は9万9000件減の531万7000件。小売業、運輸、倉庫、公共事業のほか、製造業、医療、社会扶助部門での落ち込みが響いた。ホテル、レストラン、バーでも減少した。
業種別の求人件数は、建設業が13万8000件増とけん引した。州・地方政府(教育を除く)も7万8000件増。一方、その他のサービス業は9万3000件減少した。
求人率は4.8%と、7月の4.6%から上昇した。従業員数が10─49人の企業で20万3000件増加。中規模、大規模の企業では減少した。
採用率は3.3%と7月の3.4%から低下。従業員数が10─49人の企業では18万件減となった。
レイオフ・解雇件数は10万5000件減の160万8000件。
8月の失業者1人当たりの求人件数は1.13件と、7月の1.08件から減少した。
自発的な離職件数は15万9000件減の308万4000件と、2020年8月以来、過去4年間で最も低い水準となった。退職率は4年ぶりの低水準となる1.9%に低下。賃金インフレの抑制に寄与するとみられる。7月は2.0%だった。
バークレイズのシニア米国エコノミスト、ジョナサン・ミラー氏は「きょう発表された内容は、失業率のさらなる上昇は限定的となる可能性が高いことを示唆している」と指摘。「雇用と離職のギャップが拡大していることから、連邦準備理事会(FRB)は11月の次回会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する公算が大きい」と述べた。