• 中東情勢が深刻化、米民間雇用者数、米金融政策の行方
  • オープンAI資金調達、テスラの自動車販売台数
UN Security Council Meeting On Ukraine
Photographer: Yuki Iwamura/Bloomberg

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

紛争激化

イスラエル当局はレバノン南部での親イラン民兵組織ヒズボラとの衝突でイスラエル軍兵士8人が死亡したと発表した。地上侵攻で同国軍に死者が出たのは初めて。イスラエルはレバノン南部に増援部隊を派遣すると発表。ヒズボラに対して新たな空爆を行っていることも明らかにした。ヒズボラ側は、イスラエル領内へのロケット弾発射を繰り返しており、イスラエル軍の戦車3台を破壊したとしている。イタリアは主要7カ国(G7)緊急首脳会議を招集。G7首脳は会議後、外交的解決は依然可能だと述べた。バイデン米大統領は、G7がイランに対する制裁を協議していることを明らかにした。

反転

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した米民間雇用者数は9月に14万3000人増加し、エコノミスト予想を上回った。労働市場の冷え込みを示した他の経済統計と整合しないデータとなった。8月は上方修正された。雇用者数は8月までは5カ月連続で伸びが鈍化していた。4日には9月の雇用統計が発表される。2カ月連続で緩やかな雇用者増が示されると予想されている。失業率は4.2%で変わらないと見込まれている。

米金融政策の行方

アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン最高経営責任者(CEO)は、経済を刺激するために米金融当局が利下げを続ける根拠は現在ないとの認識を示した。「経済を加速させた上で、別の方向に向かわなければならないのは良いことではないだろう」とも語った。リッチモンド連銀のバーキン総裁はインフレ退治の進展と価格決定力が弱まりつつある兆候を指摘した上で、米金融政策当局がインフレ退治の勝利を宣言するのは時期尚早との見方を示した。

資金調達

オープンAIは最新の資金調達ラウンドで66億ドル(約9600億円)を確保した。企業価値は1570億ドルと評価された。調達ラウンドはベンチャーキャピタル、スライブ・キャピタルが主導。既に130億ドルを投資しているマイクロソフトは今回、約7億5000万ドルを投じた。AI向け半導体大手のエヌビディアも資金を投じた。米国外からもソフトバンクグループ、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のテクノロジー投資会社MGXなどが投資した。アップルは参加を見送った。 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、アンソロピックやxAIなどの競合相手を支援しないようオープンAIが各投資家に求めたと報じた。

今年初の増加

電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、四半期ベースの自動車販売が今年初の増加となった。中国のEV補助金拡大による追い風を受けたが、投資家の期待には届かなかった。今年7-9月(第3四半期)の納車台数は46万2890台と、前年同期比6.4%増。ブルームバーグが追跡するアナリストの予想は約46万3900台だった。ウェドブッシュのダニエル・アイブス氏は「テスラ株には一定の圧力がかかるだろう。さらなる納車台数を期待していた投資家が同社株を手放すためだ」とリポートで指摘した。イーロン・マスクCEOは10日、ロサンゼルス近郊で開催するイベントで自動運転車のプロトタイプ(試作品)を発表する。

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