William Horobin、Ania Nussbaum
- マクロン大統領、ベルリンでのパネル討論会で発言
- 1年間の措置なら大企業は財政ニーズを理解するだろう-マクロン氏
フランスのマクロン大統領は2日、大企業を対象とした一時的な増税を支持した。長年の企業寄りの姿勢から離れるものの、新政権の戦略を支持した。
仏政府は2日、拡大する財政赤字の抑制と投資家信頼感改善を目的に、2025年度に約600億ユーロ(約9兆7000億円)の歳出削減と増税を実施する計画を発表した。富裕層や大企業に対する増税、環境税の増税により、200億ユーロ弱の歳入増を見込む。
フランス、2025年度に600億ユーロの歳出削減と増税を計画
マクロン大統領はベルリン・グローバル・ダイアログでのパネル討論会で、「必要な取り組みのレベルを考慮すれば、企業への特別課税は1年間の措置なら、大企業には十分に理解してもらえるものだ」と発言。「しかし、限定的なものでなければならない。フランス経済の現実、競争力と立場の現実を忘れてはいけない」と付け加えた。
マクロン大統領は就任後7年間、税負担増の回避を軸とした企業寄りの経済政策を展開してきただけに、今回の支持表明は従来路線とは大きく異なる。6月に実施した解散総選挙の結果、議会で過半数を占めることができなくなった上、フランスの財政状況も大幅に悪化していることが、マクロン氏を追い詰めている。
政府高官は2日、仏財政赤字の対国内総生産(GDP)比を今年の約6.1%から5%に抑制する上で、大幅な財政調整が必要だと説明した。同高官は内部規定に従い匿名を条件に話した。
原題:Macron Backs Temporary Extra Tax on Large French Companies (2)(抜粋)