吉田昂、リード スティーブンソン
- 1株18.19ドルに引き上げて9月に提案-1回目は14.86ドル
- 再提案後、7&iHDは実質的な交渉についていないと関係者
カナダのアリマンタシォン・クシュタールはセブン&アイ・ホールディングス(HD)に対して、総額7兆円に上る1株18.19ドル(約2700円)の新たな買収提案を行ったことが関係者への取材で分かった。前回の提案や現在の株価を2割超上回る水準となる。
関係者によると、協議開始を目的としたこの提案は9月19日に7&iHDに送られた。ただそれ以降、実質的な交渉は行われていないという。情報が公開されていないことを理由に、関係者は匿名を条件に話した。
クシュタールと7&iHDから現時点でコメントは得られていない。
クシュタールからの当初の買収提案は1株あたり14.86ドルだったが、7&iHDは買収提案額について、今後の事業戦略で企業価値が高まる可能性を適切に評価していないと反論。自社主導での企業価値向上を進めるため、スーパー事業など傘下企業の一部株式売却などを模索している。
クシュタールが提示した2回目の買収価格は、同社が7&iHDに買収提案していることが判明する前の8月中旬と比べると約53%高い水準となる。7&iは10日に6-8月(第2四半期)決算を発表する予定。
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