Catarina Saraiva

  • 金利調整については会合ごとに判断するとジェファーソン副議長
  • インフレは引き続き2%目標に向け鈍化するだろうと副議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は、完全雇用と物価安定というデュアルマンデート(二つの責務)目標に対するリスクは、現時点でほぼ均衡していると認識を示した。

Jerome Powell Speaks At Fed Listens Event
ジェファーソンFRB副議長Photographer: Al Drago/Bloomberg

  ジェファーソン氏は8日、ノースカロライナ州のデビッドソン大学で開かれたイベントでの講演で、「われわれの二つの責務に対するリスクバランスは変化した。インフレリスクが低下する一方、雇用リスクが高まり、これらのリスクがほぼ均衡する状態に至った」と説明した。

  その上で「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジのさらなる調整を検討する際」には、最新の経済データとリスクバランスを評価するつもりであり、会合ごとに判断すると述べた。

  インフレのさらなる鈍化と労働市場への懸念の高まりを背景に米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月の会合で0.5ポイントの利下げを決定。同時に公表された最新金利予測分布図(ドット・プロット)の中央値では、年末までの追加利下げ幅は0.5ポイントとされた。

  ジェファーソン氏は、労働市場は過熱状態から緩和しているものの、経済は「堅調なペース」で成長していると指摘。インフレ率はFRBの目標である2%にかなり近づいており、今後も鈍化を続けて目標に向かうだろうと述べた。

  先週発表された9月の雇用統計が予想外に堅調だったことで、労働市場への懸念は和らいだ。

米雇用者数の伸び、9月は全予想上回る-失業率は4.1%に低下 (4)

  ジェファーソン氏は「良いニュースは失業率の上昇が緩やかで限定的であり、その水準は歴史的に見て依然低いことだ」と述べる一方で、「それでも労働市場の冷え込みは顕著だ」と指摘した。

原題:Fed’s Jefferson Says Risks to Inflation, Employment Now Balanced(抜粋)