日本の主要メディアはまったく報道しないが、マーケットから見るかぎり接戦が続く米大統領選挙はここにきてトランプ勝利に傾き始めたようだ。結果がどうなるかまだわからない。投票日まで3週間ちょっとある。なんでも先取りしようとするマーケットも間違うことが多い。トランプ氏は本当に勝利するのか。とりあえず市場の声を聞いてみよう。ブルームバーグが今朝伝えた記事によると「『トランプトレード』活気取り戻す、ゴールドマンは最大8%高を予想」とある。バイデン大統領とのテレビ討論のあと、トランプトレードは一気に活気付いた。だが民主党の大統領候補にカマラ・ハリス副大統領が登場したあたりから徐々に勢いを失い始めていた。そのトランプトレードがここに来て俄かに復活しはじめたというだ。これに歩調を合わせるように賭けサイトでもトランプ氏がハリス氏を逆転したという。この動き、今後どうなるか。個人的にはトランプに賭けたい気がする。

米国の大手金融機関のゴールドマン・サックスはハリス氏とトランプ氏が大統領選挙で勝利した場合、値上がりが予想される銘柄のバスケットを個別に組んでいる。そのバスケットの値上がり率を見ると7月下旬以降ハリス氏がトランプ氏を圧倒的にオーバーパフォームしていた。ところが最近になってこのパフォーマンスに変化が生じており、トランプバスケットがハリス氏のバスケットを逆転したというのだ。なぜ逆転したのか、理由は書いてない。トランプバスケットには「地銀などの規制緩和関連の金融銘柄や、暗号資産(仮想通貨)エクスポージャー銘柄、エネルギー・商品関連銘柄などが含まれる」とある。「もしトラ」で強調されているのは移民に対する規制強化。これに対して経済面では石油の掘削規制の緩和や減税などだ。国境警備隊の増員と給料アップも約束した。経済的にはトランプ氏の方に分があと見ているのだろう。

最近S N Sなどで話題を呼んでいるのはハリス氏の失速だ。原因は色々あるようだが、突発事態に対してハリス氏の適応能力が極めて低いことが、有権者の間に徐々に浸透し始めているのではないかと、個人的には推測している。ウォール・ストリート・ジャーナル(W S J)の調査によると、ウクライナ戦争にうまく対処できるのは誰かという質問に対して「トランプ氏が50%とハリス氏の39%を上回った」。瞬発的な対応能力が問われる紛争に関してハリス氏への信頼感は低そうだ。逆に住宅、医療、国民への配慮はハリス氏を評価する声が多いとある。S N Sを見ていると民主党内の内紛がここに来て激しくなっていると指摘する声が散見される。バイデン降ろしを画策したオバマ氏と大統領の対立が再燃しているようだ。これにハリス嫌いのジル大統領府人が絡んでいる。内紛は常に個利個略だ。ハリス氏の手腕に疑念が深まるとともに、民主党の影が薄くなりつつあるような気がするのだが、果たして・・・。